本田技研工業のAsimo(アシモ)ご存知ですか?
あの二足歩行ロボットです。
実は、このAsimo開発チーム解散と噂が流れました。
え? まだあったの?
というのが正直なところですが、
「歩くことしかできないAsimo(アシモ)」
でしたが、研究を続けていれば、世界のトップクラスのロボットになれたはずです。
2000年に登場、世界を震撼させたAsimoなのに最後は「ただの客引き」になってしまいました。
今回の「IT小僧の時事放談」は、
「バク宙はできなくても火は消せるかも キャシー(Cassie)の挑戦」
と題して、多方面のアプローチをしている米国ロボット事情について
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いつものように小難しい話をできるだけわかりやすく解説しながらブログにしました。
最後まで読んでいただければ幸いです。
目次
ASIMOとPepper
米国の前に日本の話
2000年に突如登場したASIMO
完全な2足歩行ロボットでTVのニュースで見たその姿は、未来を感じさせるような映像だった。
人が入っているんじゃないのか?
とも疑うような自然な動き
当時、早稲田大学で研究していた二足歩行ロボットとは、似ても似つかない軽快な動きでした。
その後、ロボットではじめて「かけ足」ができたり、進化をしていたようですが、やがて報道もなくなり、静かに消滅したのではないかと思っていました。
ロボットで二足歩行という決定的な偉業を達成したのに。。。
と 2014年6月5日、思わぬところから、ロボットが登場
ソフトバンクのPepperです。
二足歩行では、ありません。
車輪移動でした。
しかし、Pepperの凄いところは、AIを使った感情エンジンで人と会話を行い、会話だけでは足りないところを胸のディスプレイで補ったり
なにより、お金を出せば、誰でも購入できるという「販売されているロボット」です。
その値段、一括払い213,840円(税込)
高機能パソコン並みの値段で最先端のAIロボットを入手できるということで個人販売は、売り切れの続出
また、企業へのレンタルも開始(Pepper for Biz)
基本レンタル料金は、オプションも含めて
月額合計 59,400円~69,984円
意外と安いのね・・・
道理で近所の「はま寿司」でバイトをしているはずです。
自律した二足歩行という技術もASIMOは、たいした商売にもならず
研究打ち切りへ
この2体のロボット、企業の違いで明暗を分けたような気がします。
自動車製造業のHONDAは、技術研究のためASIMOを作成、以後数年間、HONDAのCMで使われていましたが、それっきりで
商業ベースには、乗らずイベントのレンタルだけでと限定
一方、Pepperは、最初から販売を目的にして造られています。
Pepperは、AIクラウドを使っているのでいくらでも賢くなる可能性があります。
ASIMOも犬型ロボットAIBOもそうですが、なぜ日本のプロジェクトは、完成品ができたら満足で進化させないのだろうか?
AIBOも研究を続けていたら、いまごろぶっちぎりのペット型ロボットになっていただろうに。。。
キャシー(Cassie)
キャシー(Cassie)は、ミシガン大学の研究チームが研究している遠隔操作の二足歩行ロボットです。
このキャシー
(1)疲れない。
(2)とても重いものをもち上げられる。
(3)大学のキャンパス内で用意された(コントロールされた)火のなかを歩いて通り抜けることができる。
という課題をクリアするために研究を続けています。
ビデオを見ると、過酷な実験ですね。
このキャシーは、プラットフォームとして情報が公開、他の研究者は、この情報を使って実験をすることができるようになっていて、歩行というアルゴリズムを徹底的に研究することで現実世界での運用を目指しています。
消防ロボット
欧米では、消防士さんは、Fire Fighterと呼ばれています。
消防士さんは、火災と戦う英雄なのです。
古くは、
タワーリング・インフェルノ
(原題: The Towering Inferno) 1974年
バックドラフト
(原題: Backdraft) 1991年
そして
オンリー・ザ・ブレイブ
(原題: Only the Brave) 2018年6月公開
と勇敢に火と戦う消防士を描いた映画があります。
火の中を走るキャシーをみると
自立型消防士として活躍できる日が来るかも知れません。
多種多様な試み
以前、このブログでAIで学習するロボットを紹介いたしました。
ボストン・ダイナミクスのロボット「アトラス(Atlas)」は、バク宙することで有名になりました。
ドアを自分で開けるロボットも登場しました。
それぞれ、ロボットに対するアプローチの方法が違いますが、アプローチのが増えることで技術が進歩するのだと感じます。
自立型歩行ロボットは、ASIMOが先行していたはずです。
AIを使ったAIBOも先行していたはずです。
なのに、米国の大学や企業が、最先端を走っている状況になってしましました。
かつて、インターネットに接続できるフューチャーフォンで世界の最先端を走っていた携帯電話と同じです。
成功体験から一歩も抜け出せず、同じアプローチで製品を生み出し続け、そして、自滅してしまいました。
まとめ
世界を制したWALKMANは、音楽利権に身動きがとれずに縮小してしまいました。
「CDのコピーは、カセットテープでは、よくて、デジタルは、NGだと。。。」
そんなこと言っている間に
iPodに一撃を喰らい、音楽の主役を奪われてしまいました。
後を追っても、もう遅いです。
ロボットは、一度は、世界の最先端に踊りでても最後は、リタイア状態
世界一の技術立国 という看板も怪しくなってきました。
どれもハードウェア至上主義と成功体験からの脱却ができていないからです。
キャシーのように柔軟にそしてオープンな開発こそ、新しい何かを生み出す原動力なのではないか?
最近の米国の技術記事を読んでいるとそう思うのです。
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