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IT小僧の時事放談

オラクルは本当に大丈夫なのか？AI投資が揺るがす巨大IT企業の信用

2025年12月17日

米IT大手オラクルに対し、いまウォール街が明確な警戒シグナルを発しています。
社債は「ジャンク並み」と評され、JPモルガン・チェースのクレジットアナリストも「新年以降も社債への圧力が続く」と指摘しました。

背景にあるのは、AIとデータセンターへの過大とも言える投資です。
かつて堅実経営の象徴だったオラクルで、いま何が起きているのでしょうか。

本記事では、Bloomberg報道と米国市場の視点をもとに、オラクルの現状とリスクを深掘りします。

オラクルに何が起きているのか？

オラクルは近年、クラウド事業とAI関連インフラへの投資を急激に拡大しています。
背景には、AWS・Microsoft Azure・Google Cloudという「三強」に後れを取った現実があります。

オラクルはこれを挽回するため、
大規模データセンター建設、GPU確保、AI向けクラウド環境整備に莫大な資本支出を行ってきました。
しかし市場は、その投資ペースと資金調達のあり方に強い懸念を示し始めています。

社債が「ジャンク並み」と言われる理由

Bloombergによると、オラクルの社債スプレッド（信用上乗せ金利）は急拡大し、
一部では 投資適格企業としては異例の水準 に達しています。

JPモルガンのクレジットアナリスト、エリカ・スピア氏は、
「AI関連投資の不確実性と、データセンター収益性への疑念が、社債への圧力を長期化させる」
と指摘しています。

市場が問題視しているのは、
投資額に対して、確実なリターンが見えないことです。

データセンター不安とは何か？

AIブームにより、世界中でデータセンター建設が加速しています。
しかし同時に、次のような懸念も拡大しています。

電力コストの急上昇、
GPU供給の制約、
需要が想定ほど伸びなかった場合の過剰設備リスク。

オラクルは後発組であるがゆえに、
最もコストの高い局面で参入しているとの見方が強まっています。
これは投資回収期間の長期化を意味し、信用リスクに直結します。

ウォール街は「AIブームの亀裂」を見ている

投資家や市場関係者の間では、
「AIは確かに革命的だが、すべての投資が成功するわけではない」
という冷静な視点が広がりつつあります。

特にオラクルは、
・クラウド市場での後発
・巨額な設備投資
・高い負債水準

という三重苦を抱えています。

Bloombergのコラムニストの中には、
「オラクルはAI成長の恩恵を受ける可能性がある一方、最初に信用市場の洗礼を受ける存在」
と見る声もあります。

それでもオラクルは「すぐに危機」なのか？

重要なのは、
オラクルが直ちに経営破綻する状況ではないという点です。

依然として、
データベース事業という安定収益源を持ち、
既存顧客基盤も極めて強固です。

ただし、
これまで「安全資産」と見られてきたオラクルが、
成長企業としてのリスクを正面から評価され始めた
という意味で、状況は大きく変わりました。

今後の焦点はどこにあるのか？

市場が注視しているのは、
AI・データセンター投資が いつ、どの程度の収益を生むのか です。

もし需要が想定通りに伸びなければ、
投資負担だけが残り、社債への不安はさらに強まります。

一方で、
大型AI顧客の獲得や、クラウド収益の急成長が確認されれば、
市場評価は一気に好転する可能性もあります。

まとめ：オラクルは「転換点」に立っている

オラクルは今、
堅実な老舗IT企業から、ハイリスク・ハイリターン型AI企業へ
変貌する岐路に立っています。

ウォール街が警戒しているのは倒産ではなく、
「AI投資が報われなかった場合の信用低下」です。

オラクルは大丈夫なのか？
その答えは、AIという賭けが成功するかどうかに、これまで以上に強く依存しています。

 Bloomberg（ブルームバーグ）主要参考記事

米国市場・投資家視点の補足参考

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