データセンター(DC)が日本国内で建築ラッシュとなっています。
クラウド全盛でいまさらデータセンター???
今回のIT小僧の時事放談(ショート・ショート)は
国内データセンター新設ブーム 火付け役は不動産投資か?
と題して 建設ラッシュが続く国内データセンター事情について考えてみよう。
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
目次
データセンター(DC)建設ブーム
クラウドでは、AWS(amazon)、Azure(Microsoft)、Google Cloud Platform(Google)が御三家と呼ばれていて
AWSが32%、Azureが19%、Google Cloudが7%と上位3社で全体の6割近くを占めています。
その他 約40%のシェアを多くの企業で争っている状況です。
そのなかで今日本で超巨大なデータセンターの建設が予定されています。
IDC Japanによると
IDCの建物の延べ床面積の合計は2020 年末時点で245万7600m2、2025年には約1.4倍の339万8000m2に増加する予定になっていてクラウドの需要が増大していることがわかります。
このようなクラウドサービスの事業者が利用する非常に規模の大きいデータセンターを「ハイパースケールデータセンター」と呼んでいます。
例えば、Equinix(米国)は、2021年3月 東京エリアで12番目となる「TY12x」を千葉県印西市に開設
また Colt data Center Services(英)、Digital Realty Trust(米)、AirTrunk(豪)など次々と国外から進出してきています。
国内でもNTT,KDDIなども建設を予定しています。
地価や物価が比較的高いとされている日本での建設は異常とも思えるのですが、どうも単なるクラウドの需要だけではなさそうです。
不動産投資
データセンターの建設ラッシュの背景には、不動産投資がデータセンターに注目しているという背景があるようです。
例えば、米国では、REIT(不動産投資信託)市場と呼ばれる投資市場においてデータセンターに的を絞って投資するREITが5本上場していてREIT全体の時価総額の約6%に達しています。
国内でも首都圏のオフィスや商業施設、物流施設といった不動産の収益性が落ちていることによる投資先の検討をしていると思われ、そこで投資会社(個人)は、クラウドの普及に伴うデータセンターに目をつけたと思われます。
これまでデータセンター事業者は、自己資金で建設運営を行ってきましたが、クラウドで使われるデータセンターとなると規模も大きく建設費用の負担も増加します。そこで、事業者はリスク軽減のため、自己資金で構築するのではなく、不動産会社など第三者の資金によって建設を行い利用するという方針になってきています。
さらにクラウド需要の増大による高い収益性も投資家たちにとって魅力的と感じていると思われます。
データセンターの建設ラッシュの要因は、どうもこの不動産投資にあるような気がします。
でも大丈夫なのでしょうか?
「不動産投資 データセンター」で検索すると数多くの不動産投資会社が検索されます。
新型コロナ後の影響もあり、これまでの商業施設やオフィスビルへの投資が危ぶまれている一方、デジタル庁、DXというお役所誘導型のデジタル産業推進による資金の流れも影響してのデータセンター建設ラッシュだと思っています。
地価も高騰している日本で大規模なデータセンターが運営できるほど魅力があるのだろうか?
電力事情も考えて日本では不向きとも思えます。
ただし、治安は世界でもトップクラスの良さなのでそこは、ウリの一つになるかも知れませんが、スパイ防止法もない、情報ざる国家の日本でセキュリティは大丈夫なのでしょうか? と心配もあります。
欧米の企業の運営ならばそのあたりのノウハウを持ち合わせていると思いますが・・・
また、建設ラッシュはいいけど どれだけ契約がとれるのか? 運営費がペイできるのか? 先の述べた電力の問題
建設はいいけど その後のことまで不動産会社は考えているのかどうか?
もっとも建設してしまえばそれでOKなにかも知れませんけど
まとめ
この国は、これまで政府(役人)は、通称リゾート法といわれる総合保養地域整備法(1987年制定)などで地方にテーマパークなどを建設させて特定な企業や個人に利益誘導をしてきたという事例があります。そのとき建設された多くんテーマパークは廃墟となっているわけです。正直言って 税金でゴミを作ってきたのです。
IT業界も同じようなもので何度か「ITなんちゃら」で利益誘導を受けて税金を湯水のように吸い上げ、ゴミのようなシステムを量産、そして責任を取らずに同じことを繰り返しています。
予算(税金)は元請けが吸い上げて、下請けは より安価な下請けを探す。
「9次下請け」もあったという話や「オフショアでもギャラが安すぎてどこも受けてくれない」なんて話も聞きます。
今回のDXやデジタル庁もITゼネコン達が群がうのが目に見えています。
数年後、またゴミのようなシステムができあがり、誰も責任を取らずに 新しいキーワードを作って税金を食いつぶす
この国では誰が首相をやろうと野党が政権を取ろうと同じことです。彼らを動かしている官僚が変わらない限り同じことを繰り返します。
若いエンジニアはこんな歯車に巻き込まれてはいけません。
コロナ後は米国などに渡って自分の可能性を磨くことをオススメします。
そのためにも海外で働くエンジニアに必須である英語をしっかり学んで準備をしましょう。
数年後「ハイパースケールデータセンター」はどれぐらい残っているのでしょうか?