つい5年ほど前まで、新聞を電車で広げている風景がよく見られていた。
スポーツ新聞のエロページを堂々と広げている猛者もいたが、新聞は私達の貴重な情報源だった。
しかし、今や電車の中で新聞を広げている人など ほとんど見かけなくなった。
今回のIT小僧の時事放談は、
個人が商品となる時代 有料ニューズレターSubStackの可能性
と題して、海外で徐々に広まっている有料ニューズレターについて考えてみよう。
今回も小難しい話をわかりやすく解説しながら記事にまとめました。
最後まで読んでいただけたあら幸いです。
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目次
既存メディアの衰退
新聞、テレビ、ラジオなど これまでマスメディアと呼ばれているものの限界がみえてきました。
新聞は、紙媒体の情報の遅さが致命的になりネットニュースで事足りる時代となった。
メディアの王様だったテレビは、くだらない規制にがんじ絡みにされていてキレキレな番組が発信できなくなっている。
加えて、中間搾取をしているテレビ局や広告屋さんのために実際に番組作りに抱える予算が減っているので、お笑いタレントを使った番組で似たりよったりのものとなってしまった。
NHKが批判されているけれど、番組にカネをかけてつくっているために番組自体は、クオリティが高いものが多い。
そりゃ、カネがなければ面白いものなどできるわけがない。
Netflixのオリジナルドラマを見れば、日本のドラマなど「退屈な時間つぶし」以外の何物でもない。
賢いクリエイターは、テレビを見限り、YouTubeやNetflixなどに注力し始めている。
ラジオは、radikoの登場で息を吹き返すと思ったが、電波を発信するというコストに耐えられなくなっている。テレビより先に従来のラジオ局は、消滅の危機に陥っています。
ネットの世界に参入するプロクリエイター
既存メディアが、過去の柵にあえいでいる間にネットメディアは絶好調である。
というのも、数年前までの話で、有能な造り手が、こぞってネットメディアに参入し始めてきたため今や群雄割拠の時代となっている。
しかし、その多くは、映像メディアつまり「動画」である。
誰もがポケットに入ってるスマートフォンという 万能メディアデバイスにより、いつでも情報発信ができるようなっていたYouTubeは、資金力にまさるプロのクリエーターによって大きく変わろうとしている。
しかし、面白いことにプロクリエーターの動画が受けるとは限らないのがYouTubeの面白いところで、テレビから追い出されたお笑い芸人もその多くが、惨敗している。
彼らの多くは、テレビに戻れなくて「仕方がなくYouTubeをやっている」というのが見え隠れする。視聴者は正直なものでそんな彼らにバッドマークを容赦なく浴びせかけている。
ジャーナリストが発信する有料ニューズレター
ニュースサイトも欧米を中心に紙媒体からネットニュースと変わりつつあります。
BBCをはじめ 有料となっているところも多くなってきています。
新聞のように印刷所、運送、配達などのコストが削減できるというわけである。
残念ながら、日本の新聞社の多くは、今だに紙媒体が主力でネットでの配信は、おまけ程度 と考えている企業も多いと思われますが、遅かれ早かれ、紙媒体の新聞という形式は、消滅すると思います。
そんな中、欧米のジャーナリストたちは、自分たちの記事をマスメディアやネットではなく 個人宛に直接ニューズレターという有料配信を開始しています。
SubStack
有料ニューズレターのプラットフォームの一つでSubStackという企業があります。
2017年に メッセンジャーアプリ Kikの元創業者兼CTOだったChris Best(クリス・ベスト)氏
もとジャーナリストのHamish McKenzie(ハミッシュ・マッケンジー)、Jairaj Sethi(ジャライジ・セティ)の3人が立ち上げました。
日本ではあまり馴染みがありませんが、有料購読者数は10万人を越えていて新型コロナの影響で購読者が増え、配信者であるライターの数も増えているようです。
ライターの顔ぶれも多種多様で 元TechCrunch記者のJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)など専門分野のジャーナリストも多く、彼らの書いた記事が、直接、購読者に届くという仕組みになっています。
そして 重要なことは、配布されるニューズレターには、広告が一切入っていないことです。
ここが、メルマガと大きな違いになります。
広告が収入源ではなく、ニューズレター自体が商品となっているわけです。
つまりライターの書くニューズレターに魅力があれば 収入が増えるわけで、ライターの力量が問われます。
当然、読者が増えれば、ライターへの報酬も増えるわけで、ガチな書き手とカネを払っても読みたい読者がニューズレターの仕組みを支えているわけです。
個人が商品となる時代
SubStackは、プロのライターだけではありません。
「公開は無料で、制限はありません」
また SubStackには、こう書かれていました。
“I’m finally writing the things I want to write.”
書きたいものを書く
それに対して 報酬を得られるかどうかは、あなた次第ということで無料でも投稿できるし、有料でも投稿できる仕組みになっています。
もちろん 著名なライターも数多く登録しています。
プロでも、素人でも 記事が面白ければ読んでもらえるし、つまらなければ
読まれることもない=報酬はない
という厳しい世界ですが、素人でもチャンスがあるわけです。
ニューズレターを通して個人が、商品となりそれを購入してくれる時代と言っていいでしょう。
これまでの広告ビジネスと違い、個人の才能、能力を販売することができる時代になっています。
広告ビジネスは、掲載される広告によって収入が不安定になりますが、SubStackでは、読み手が減らない限り収入が減ることはありません。
読者の心とおサイフを捕まえばよいのです。
もちろん そのためには、文章を書くテクニックと取材力、構成力などが必要となるでしょう。
ニュースを選択する時代
プロ、アマチュア問わず 個人がニュースを直接配信できる時代になると
これまでのメディアから一方的に報道されて視聴者がただ受け取るだけの時代は、終焉を迎えるかも知れません。
そのとき、既存のメディアは生き残っているのでしょうか?
欧米メディアはともかく、国内のメディアは、危なそうだです。
しかしニュースの選択という方向性は
「読みたくないニュースを敬遠する」
という危険性もあります。
米国の大統領選挙を見れば、マスコミは自分の推す候補に有利な方法を流し、視聴者もそのニュースだけを信じている。
米国の2分化とか言われますが、情報の選択がもたらしたと思われます。
一方、日本では、マスコミが堂々と
「報道しない自由」
「どこかの国に気を使いまくって報道」
「国籍や人によって犯罪者の名前を出す出さない」
「自国を陥れる情報不操作をしている」
なんてこともときおり感じられますが、個人がニュースを直接配信できる時代になった場合、彼らはどうやって生き延びるのか? 非常に興味があります。
数年後には、新聞のいくつかが休止となっているかもしれないし、テレビ局も数が減っている可能性だってあるでしょう。
そのとき、私達は、どのような方法でニュースを得るのでしょうか?
まとめ
ブログ、メーリングリスト、Twitter、Facebook、Instagram、Tik TokなどSNSの世界ではあたりまあえのように個人の才能やキャラクターで報酬を得ている人がいます。
今後、SubStackのような直球スタイルで報酬を得られるメディアは増えると感じています。
個人がカネになる時代
ネットの普及は、次の段階に入っていると感じています。
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