携帯電話キャリア3社の2020年度3月期連結決算が出そろいました。
NTTドコモは減収減益、KDDIとソフトバンクは増収増益となりました。
NTTドコモは6月までの第1四半期で15万契約を獲得し8月1日時点で24万契約
KDDIやソフトバンクは、5Gのみの契約者数は非公開となっている。
NTTドコモは、2021年3月の目標を250万契約としていますが、10分の1以下の契約数になっている。
今回のIT小僧の時事放談は
5Gの基地局って4Gの3倍を超える電力消費になるって本当? マスコミが言わない お寒い事情
と題して、
マスコミでは、なぜか出てこない、5Gは、反省エネでCO2増加というお話です。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
マスコミが言わない 絶望的なエリア
みなさん 5Gのスマートフォン 使っていますか?
そもそも 5Gの電波ってどうなっているんでしょうか?
エリアから見てみましょう
docomo
docomoの接続エリアは、施設、スポット単位でしか対応していない
全地域/全カテゴリ/2020年7月末時点の利用可能スポットを検索することができる。
例えば使える場所として
北海道 札幌ドーム 観客席、ドーム前周辺
埼玉県 ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールA、EJアニメホテル ロビー
東京都 東京スカイツリー スカイアリーナ周辺、ソラマチひろば周辺、PLAY5G
京都府 六条不明門 仏具屋町周辺
大阪府 京セラドーム 北側入口周辺
沖縄県 那覇市国際通り 松尾1丁目国際通り周辺
というように局地的なスポットの記載しかない。
そして
この257エリアのうち ドコモショップ内と記されたものが79もあります。
つまり ドコモショップを除けば、
たったの178箇所でしか使えない。
記載を見ればわかるように「京セラドーム 北側入口周辺」とあるように京セラドームをカバーしているわけではない。
たったの178箇所しかも施設全体ではない。
みなさん、こんな状況の5Gですが、使える状況と言っていいのでしょうか?
そしてKDDIやソフトバンクも似たようなもので
KDDI(au)
2020年7月時点で5Gが受信できるエリアです。
受信最大 4.1Gbps
<埼玉県、広島県>の一部エリア
受信最大 3.4Gbps
<埼玉県、広島県>の一部エリア
受信最大 2.1Gbps
<埼玉県、東京都、岡山県、広島県、愛媛県>の一部エリア
https://www.au.com/mobile/area/other_speed/?bid=mb-mb-area-0116
こちらは、もっと局地的で北海道、東北、四国、九州、沖縄では、使える場所さえありません。
SoftBank
地図が表示されるので見てください。
この地図のピンク色のところが2020年7月時点で5Gが受信できるエリアです。
※東京中心の場合
https://www.softbank.jp/mobile/network/area/map/?cid=5gmp_200312_mobile/special/softbank-5g/_006
絶望的なエリア
どうですか? この絶望的なエリアの狭さ
5Gが凄いぞ!
世界を変えるぞ!
というメッセージはいいんですが、凄い5Gを使うためにわざわざ電車に乗って出かけなければ使えないという状況が、現在の日本の5G事情です。
IT小僧は、電車に乗ってまでNetflixの動画を数秒でダウンロード なんてものは、
まったく必要がありません。
インチキな5G
こんな状況で自動運転だとか 言っていますが、解決策があるのです。
総務省は2020年6月、23年度末までに携帯各社が整備する5G(第5世代移動通信システム)の基地局数を、当初計画の3倍となる21万局超に引き上げる目標を公表した。20年9月までに既存4Gで利用する周波数帯を5Gに転用できるように制度改正し、携帯各社の5G基地局整備を促す考えだ。ソフトバンクとKDDIが5G基地局整備の大幅前倒しを表明する一方、慎重な姿勢を崩さないのがNTTドコモだ。4G電波の転用では速度が出ない「なんちゃって5G」にとどまるという懸念を示す。
日経クロステックより
要は、4Gの現在の基地局から出ている電波に5Gを載せてしまえ
これをDSS(Dynamic Spectrum Sharing)と言います。
※DSSとは、同じ周波数帯で4Gと5Gの電波を共用できる技術のことで
というわけである。
一気に5Gエリアが拡大できそうですが、5Gと表示されていても4Gと性能が変わらないわけですが、これが実現したら
日本中で5Gが使えるぞ!
って宣伝するのだろうか?
それって、4Gでよくねぇ・・・
高い通信料金を払って5Gになっても恩恵がなければ 意味無し
これが、2020年8月現在の日本における5Gのお寒い状況です。
回線数が増えているというのは、新しいハイスペックスマートフォンを購入する場合、もれなく5Gで契約しなければならないということだと思われます。また使い放題(といいつつ制限あり)のヘビーユーザー向けの施策が当たっているというわけです。
しかし、5Gには、もっと問題になることが待っています。
マスコミが言わない 3倍の電力消費
中国電信による「広州市・深セン市5G基地局消耗エネルギーの実証実験データ」によると、5G基地局当たり3.7KW〜3.8KWを消耗している。対して、4Gでは約930Wしか消費しないため、5G基地局は4Gの3〜4倍の電力を要する結果がわかった。
5G基地局の設置には莫大な建設費が必要になるだけでなく、4G時代の3倍を超える莫大な電気料金にも直面している。事業者は政府に補助金を求めている。
さらに
5G基地局は一般に、4G基地局の約3倍の電力を消費すると予想されている。5Gネットワークでは、スモールセルと呼ばれる小さなエリアごとに基地局を設置する必要がある。このため、設置数は4Gネットワークの基地局に比較して約100倍に上ることから、基地局1つ1つの消費電力の削減が重要な要素となる。ナショナルインスツルメンツのJames Kimery氏は、5Gの運用費用にはバッテリーの損耗費用の影響も影響するだろうとしている
https://www.zaikei.co.jp/article/20190731/523847.html
これらの問題を回避すべく、Ericssonなどは、5Gのエネルギー考察について論文を発表しています。
5Gのエネルギー消費と性能の技術的な考察
https://www.ericsson.com/ja/blog/2019/9/energy-consumption-5g-nr-ja
5Gの基地局の電力消費を抑えるべき方法を施策していると言っています。
Ericssonは、5Gの基地局の技術を提供しているわけです。
当然のように5Gの省エネルギーについて根拠を出す必要が迫られていて、解決策を提案しています。
消費電力は、テクノロジーの進歩で解決できるかもしれません。
でも、そこまでして (スマートフォンで)5Gって必要なのでしょうか?
マスコミの言わない欧米の反5Gの流れ
5Gに反対する欧米諸国世界中で5Gの反対運動が起きています。
ベルギー、イタリア、スイスのボード市、アメリカのサンフランシスコ市は、5Gの導入を禁止する措置がとられています。
イタリア政府はすでに5Gの使用を制限する裁判所の決定を告知しているぐらい反対の意志が強くなっています。
スイスでは、すべての5G(第5世代移動通信システム)基地局が事実上使用できなくなったと、英国の経済紙『フィナンシャル・タイムズ』のウェブサイトが2020年2月12日付で報じました。
スイス連邦環境省は、5Gの基準値を策定するために5G電波による影響を調査する必要があり、それには時間がかかる
https://www.ft.com/content/848c5b44-4d7a-11ea-95a0-43d18ec715f5
反対の理由は、健康被害で電磁波の影響が各国の医療関係者の研究によって次々に明らかになっています。
まとめ
5Gは、可能性があると思います。
それは、ローカル5Gのように局所的に使われるものだと個人的に思っています。
つまり、現在のスマートフォンで5Gの性能が必要かどうかは疑問です。
5Gの基地局が、そこらじゅうに設置され、今の4Gと同じように使えれば、状況が変わるかもしれません。
※4Gと変わらない インチキ?な5Gでは、5Gの高速通信は体験できません。
現在でも光回線があればそこからWi-Fiで高速なネット環境が使えるようになっています。
自宅に帰れば高速なネット環境を体験している人も多いでしょう。
となると5Gは、外出先でNetflixのドラマを数秒でダウンロードしたり、4KのYouTubeを見るために
高額な通信料金と高価な5G対応のスマートフォンを購入ということになります。
どうですか?
これでも今のスマートフォンで5Gって必要ですか?
あとがき
今回は、CMを掲載しているブログなのに あえて 言いにくいことを記事にしました。
5Gの気合の入ったプレゼンやCMが続いていたわけですが、5Gを買いたいという説得力が少な過ぎます。
みんががみんな、3Dとか、バーチャルなんとかとか必要ないわけです。
5Gが普及するためには、
- 4Gと同じぐらいの通信エリア
- 5万円以下のスマートフォン
- 数千円の月額定額通信料金
になれば、5Gは、普及すると思います。
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