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IT小僧の時事放談

アプリダウンロード数減なのに課金は爆増:2025年“選別消費”が生んだ1560億ドルの正体

2026年1月16日

「アプリはもう増えない」

そんな空気がデータにも表れています。
2025年、世界のアプリ総ダウンロード数は1069億回で前年比-2.7%と落ち込み、減少は5年連続。一方で消費者支出(アプリ内課金・サブスク等)は**1558億ドルで+21.6%**と大きく伸びました。

この“ねじれ”は、アプリ市場が「新規インストール競争」から「継続課金・高単価ユーザー競争」へ完全に軸足を移したことを示しています。

DL数はなぜ減り、課金総額はなぜ増えるのか?

なぜダウンロード数が減っているのか?──“アプリ飽和”と“新規の天井”

まず大前提として、主要国ではスマホ普及が飽和し、日常的に使うアプリが固定化しました。新しいアプリを探して次々入れるより、既に入っている「SNS・動画・決済・ショッピング・メッセージ・地図」を使い続ける。市場が成熟すると、新規インストールは伸びにくくなります。

TechCrunchが引用するAppfiguresの推計でも、2020年のピーク(パンデミック期)を境に総DLは下り坂に入り、2025年はさらに減少。特にゲームDLが-8.6%と大きく落ち、非ゲームは+1.1%で横ばいに近い動きです。
つまり「全部が落ちている」というより、ゲーム中心だった“インストールを増やす成長”が鈍化した影響が大きい、という構造です。

加えて、ユーザー側の感覚としても「入れてもすぐ消す」「似たアプリが多すぎる」という“アプリ疲れ”が進んでいます。結果として、インストールは“必要なときに必要なものだけ”に絞られていきます。

なぜ課金総額は増えているのか?──サブスク化と“非ゲームの大躍進”

課金総額が伸びた最大の要因は、アプリが一斉に**“サブスクリプション経済”へ寄っていったことです。TechCrunchは、開発者がユーザーにサブスクやアプリ内購入を促すことに成功**したと述べています。

数字がそれを裏付けます。2025年の支出内訳は、

  • モバイルゲーム:722億ドル(全体の約46%)

  • 非ゲーム:826億ドル(前年比+33.9%)
    で、非ゲームの伸びが特に大きい。

この「非ゲームの爆伸び」が重要です。従来はゲームが稼ぎ頭でしたが、今は動画・音楽・出会い・学習・生産性・写真編集・クラウドなど、**“生活インフラ化したアプリ”**が毎月課金を集める構造になっています。

さらにApple自身も、2025年のサービス事業が“記録的な年”だったとして、App Storeは世界で週平均8.5億人が利用し、開発者の累計収益が2008年以降で5500億ドル超に達したと発表しています。
「使う人が多い」=「継続課金の母数が大きい」ため、DLが伸びなくても売上が伸びる土台が強化されています。

ユーザーのアプリ利用はどう変わった?──“広く浅く”から“狭く深く”

ここ数年の変化を一言で言うと、ユーザーはアプリを選別し、残したアプリにはお金も時間も深く投下するようになった、です。

Sensor Towerの年次レポートでも、ダウンロードが落ちても「(特にゲームを中心に)体験の高度化やマネタイズ改善で支出が伸びる」流れが語られています。
アプリ側は、ライブ運用(イベント・追加コンテンツ・限定アイテム)やパーソナライズ、AI機能などで“継続したくなる理由”を作り、ユーザーは“続けたいものだけ払う”へ移りました。

米国市場はどうか?──「DL-4.2%でも支出+18.1%」

TechCrunch本文には米国だけの数字もあります。米国では2025年に

  • 支出:555億ドル(+18.1%)

  • DL:100億回(-4.2%)
    と、世界全体よりも“DL減”が目立つ一方、支出はしっかり伸びています。
    成熟市場ほど「新規獲得」より「既存の課金最適化(LTV最大化)」が効く、という典型例です。


日本の状況:成熟市場ゆえに“高単価・深い利用”が目立つ

日本は「入れる」より「払う」市場になりやすい

日本は世界でも有数の課金市場として知られます。Sensor Tower関連の分析では、日本の消費支出は2024年に165億ドル規模で世界上位クラス、ゲームだけでなく漫画・エンタメが強いとされています。

また、Adjust×Sensor Towerの日本向けまとめでは、2025年Q1の日本で

  • DL数1位が TikTok

  • 消費支出(課金)1位が ピッコマ
    という“ダウンロード上位と課金上位が別物”になっている点が特徴として挙げられています。
    日本は特に、漫画=チャプター課金・時間制無料・サブスクなどマネタイズ手法が洗練されており、「新規DLが爆増しなくても、既存ユーザーから収益を積み上げやすい」土壌があります。

ゲームも強いが“ダウンロードは控えめ、収益は太い”

Sensor Towerの日本ゲーム市場分析では、2025年の日本モバイルゲームはIAP収益110億ドル規模とされる一方、ダウンロードは6.28億と、人口規模から見て“爆発的に多い”わけではありません。
ここでも「入れる人の数より、払う人の深さ」が日本の強みとして表れます。

動画・サブスクの浸透が“非ゲーム課金”を押し上げる

日本では動画サブスクの利用も拡大傾向です。ICT総研の調査では、定額制動画配信の利用率など、価格志向や広告付きプラン容認といった行動変化も示されています。
こうした“月額に慣れる”文化が、ゲーム以外のアプリ課金(動画・音楽・学習・ユーティリティ)を下支えし、世界的な「非ゲーム課金の伸長」と同じ方向へ日本も進んでいると見てよいでしょう。


まとめ:アプリ市場は「新規獲得」から「継続課金」へ、2026年もこの流れは続く

2025年のデータが示すのは、アプリ経済が完全に「インストール数で伸びる時代」から「継続して払われる時代」へ移ったという事実です。世界では総DLが減っても支出が伸び、しかも伸びの中心はゲームだけでなく非ゲームに移りつつある。
日本はもともと高課金・深い利用が起きやすい市場で、漫画・ゲーム・エンタメの強さがこの流れをさらに加速させます。

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