「人々は、ChatGPTをどう使っているのか？」──OpenAIの最新レポートから見えた驚きの実態

「AIチャットボット」と聞くと、プログラマやライター、あるいは研究者だけが使うもの──そう思っていませんか？
しかし、2025年に公開された OpenAI 初の大規模利用実態調査を見ると、実際には「書く」「調べる」「相談する」など、日常や学び、生活のなかで幅広く使われていることが分かってきました。

本記事では、欧米圏の最新データと日本国内の普及率データをもとに、“人々は本当に ChatGPT を何に使っているのか” を丁寧に読み解いていきます。

人々は、ChatGPTをどう使っているのか？

2025年9月、OpenAI は約 130,000 人のユーザー、1.5 百万件の会話ログを対象にした世界最大級の「ChatGPT 利用実態調査」を公開しました。
そこから浮かび上がったのは、「ChatGPT = 専門家向けツール」ではなく、「誰もが手軽に使う日常のパートナー」という実像です。Yahoo!ファイナンス+3OpenAI+3アーステクニカ+3

まず注目すべきは、どのような使い方が多いかという利用内容の内訳です。
OpenAI の調査では、全メッセージのうち約 49% が「質問・相談（Asking）」、40% が「作業依頼・タスク実行（Doing）」、そして残り 11% が「表現・雑談など（Expressing）」に分類されました。OpenAI+1

この「Doing」による利用の多くは、文章の作成や編集であるという点も見逃せません。従来の検索エンジンではなく、文章を「生成」または「整える」ために AI を使う――この特徴こそ、ChatGPT の強みといえるでしょう。OpenAI+1

そして “仕事での利用” は全体の中ではむしろ少なめで、報告によれば 約 30% にとどまり、多くは趣味・学び・日常的な相談や情報収集など「非仕事用途」が中心です。TechRadar+2Yahoo!ファイナンス+2

また、年齢層にも偏りがあり、調査サンプルで年齢を明かした人のうち 約46% が 18〜25 歳と、若年層の利用が目立っています。アーステクニカ+1
この傾向は、「新しい技術を試したい」「学びや情報収集に敏感」という若者らしい動機と重なるようです。

日本における ChatGPT の普及状況

では日本ではどうでしょうか。調査では、2023年6月時点で約 15.4% が ChatGPT を「利用したことがある」と答えていましたが、直近（2024年9月時点）では 20.4% まで伸びています。NRI

つまり、短期間で利用経験者の割合が確実に増えており、日本でも ChatGPT を「試してみた」「使ってみた」という人が広がってきていることが伺えます。

興味深いのは性別・年代別の傾向で、男性は中年層での伸びが大きく、女性では若年層（20代〜30代）を中心に利用が広がっているという点。NRI

これは「かつて男性主体だったテック領域への敷居が下がり、女性や若年層にも ChatGPT の扉が開かれてきた」ことを示すデータと言えそうです。

なぜここまで広がっているのか：背景と意味

なぜ ChatGPT は “専門家向けAIツール” から、“誰もが手にする日常のツール” へと変化したのでしょうか。その背景には、大きく３つの理由が考えられます。

“書く・調べる・相談する”のニーズの多様化
インターネットで調べれば済むこともあるけれど、「文章を書く」「内容を整理する」「何かを相談する」とき、AIを使うことで手軽かつ効率的なアウトプットが得やすい。特に、ブログ、メール、学習、アイデア出しといったタスクでは、AIがサポートツールとして力を発揮します。
非英語圏での普及とアクセスの広がり
もともと英語で提供されていた ChatGPT ですが、世界中で使われており、日本でも利用が増えている。日本語でも使えることで、ITリテラシーがそれほど高くない人や、専門知識がない人でも気軽に利用できるのが大きな強みです。
多様な世代・性別に広がる“AIの民主化”
若年層や女性、中年層と、利用者層の幅が広がってきています。これまで「技術好き・知識系」に偏りがちだったAIツールの受け皿が、より広く、多くの人の手に届くようになった――そんな節目にあるのかもしれません。

日本・欧米、それぞれの違い／共通点

欧米（主に報告対象国）では若年層の利用が圧倒的で、「質問・相談」「文章作成」「情報収集」が主流。一方で日本では、利用経験者はまだ全体の 2 割前後にとどまり、これから普及が進む段階にありそうです。

とはいえ、「仕事目的だけでなく、日常や趣味、学びのために使う――」という使われ方の広がりという傾向は両者に共通しています。非専門家、非技術者にとっても「書きたい」「知りたい」「相談したい」を支える道具として、ChatGPT は受け入れられつつあると感じます。

まとめ — “AIは特別ではなく、暮らしの中のツール”として

OpenAI が公開した大規模調査によって、ChatGPT はもはや「一部のエンジニアや研究者が使うツール」ではなく、より広く、日常や学び、仕事の隙間時間に使われる「汎用ツール」であることが明らかになりました。日本でも普及率はじわりと伸びており、性別や年代を問わず利用する人が増えています。

もしあなたが「文章の校正」「アイデア出し」「情報収集」「学習や相談」といったタスクをよくするなら、ChatGPT はあなたにとって有力なパートナーになり得るでしょう。

今後ますます多様な用途で使われることが期待されるこのツールについて、「自分ならどう使うか」を考えてみるのも面白いかもしれません。