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IT小僧の時事放談

バチカンにプログラマー大集合 Vhacks

2018年3月27日


今年の3月にヴァチカンに世界中のプログラマーが大集合しました。
その名も

Vhacks

ハッカソン(hackathon)と呼ばれる大会がバチカンで開催されました。
120人の学生が集結し、36時間にわたってプログラミングを行いました。

今回の
「IT小僧の時事放談」
では、
「バチカンにプログラマー大集合 Vhacks」
と題して
カソリックの大本山バチカンでテクノロジーの祭典が行われた意義
について考えてみました。

今回も小難しい話をできるだけ簡単に解説しながらブログにしました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。

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ハッカソン(hackathon)

そもそも ハッカソン(hackathon) ってなに?

ハッカソン(英語: hackathon 、別名:hack day ,hackfest ,codefest )とはソフトウェア開発分野のプログラマやグラフィックデザイナー、ユーザインタフェース設計者、プロジェクトマネージャらが集中的に作業をするソフトウェア関連プロジェクトのイベントである。
個人ごとに作業する場合、班ごとに作業する場合、全体で一つの目標に作業する場合などがある。
時にはハードウェアコンポーネントを扱うこともある。
ハッカソンは1日から一週間の期間で開催することがある。
いくつかのハッカソンは単に教育や社会的な目的を意図に開催する。
使用に耐えるソフトウェアの開発や既存のソフトウェアを改善することを目標としている場合もある。
また、使用プログラミング言語、オペレーティングシステム、アプリケーション、API、主題や参加プログラマーの人数を定める場合がある。
Wikipediaより抜粋

簡単に行ってしまえば
プログラム好きが集まってプログラムをつくってワイワイやるお祭りです。
プログラムは、特定のテーマが決められていてそれぞれチームを組んで数日間でサービスを構築して評価し合うというスケジュールになっています。

バチカンでハッカソンなのでVHacks?

今回のハッカソンは、VHacksと呼ばれています。

正式名
A hackathon at the Vatican

会期
2018/03/08~3/11

バチカンで行う意義
フランシスコ ローマ教皇は、このような主旨を話しています。

科学技術革新の成長がより平等と社会的包含を伴って来るなら、それはどれくらい素晴らしいだろうか?
- Pope Francis

教皇庁では以下の3つを使命としています。

ハッカソンの使命
VHacksは、社会的障壁を克服し、共通の価値を受け入れるために技術革新を利用しようとしています。私たちの使命は3つあります:
1.ハッカソンのテーマを中心とした現在のグローバルな問題に対処する技術を活用する。
2.多様な学問、民族、宗教的背景を持つ青少年指導者間の協力を促進する。
3.バリューベースの機関に技術の採用を促し、ミッションを推進する

ハッカソンのテーマ

ハッカソンは、毎回テーマが決まっています。
今回のテーマは、
「テクノロジーによって、inclusionと宗教間対話の促進、そして移民や難民への支援を提供するためのソリューションを生み出すこと」

社会的包含
ますますデジタル化された世界で人間中心の思考や価値観を復元することによって、連帯を奨励します。

宗教間の対話
相互理解と建設的協力を創出するために、異なる信仰を代表する個人と組織の間のオープンなコミュニケーションをサポートする。

移民と難民
移住者と難民が再配置と統合を支援するための資源を強化し、支援し、動員する。

inclusionの訳がよくわからなかったのですが、
通常だったら「包括」「一体的」とかの意味なのですが、
ビジネス用語だと
「多様な人々が対等に関わりあいながら一体化している状態」
というような意味だったりします。
ここでいう多様とは、カソリックだとおそらく「人種、国籍、性別、宗教」などが当てはまるかなと考えています。

開催された場所

開催場所はバチカン市国の国境から200メートル外にあったので厳密には、バチカン市国内ではありませんが、開催地のローヴェレ宮は、聖墳墓騎士団の拠点でもありました。
また、教皇庁尚書院として使われていたカンチェッレリア宮やイエズス会の本部が使われていました。

教皇フランシスコは、毎週日曜に行われるお告げの祈りで、何千人もの聴衆を前にハッカソンについて言及したり
教皇庁全面バックアップの元に開催されたのは間違いないようです。

実際に作成されたアプリケーション例

代表的なアプリケーションは、以下のものが確認されています。

「Co.unity」
元の雇用主とホームレスの求職者をマッチング

「DUO Colleague」
異宗教間対話を促進SNS

「Credit/Ability」
移民や難民がクレジットスコア(個人の信用偏差値)を構築

これらつくられたアプリケーションは、グーグルやセールスフォース、TIMといったパートナー団体は、アイデアのうちのいくつかを自社のインキュベーションやアクセラレーションプログラムで受け入れられないか検討となります。
また、
「この分野のアイデアのいくつかについて、実現のための協力に関心を示す声が上がっています」
ハーバード・ビジネス・スクールMBA生 ジェイカブ・フローキーウィッツ

スポンサーなどが出れば実際にサービスが世にでることになるということです。

意義

宗教界と最新テクノロジーというと違和感があると思いますが、こんな記事が出ていました。

「ヴァチカンでのハッカソンが突飛なアイデアだとお思いなら、われわれイエズス会やドミニコ会、フランシスコ会などが16世紀に印刷機を活用していたことを思い出してください」
ディレクターを務めるマイケル・チェルニー神父

「教会の人間の多くが、テクノロジーを使って物事を成し遂げたいと思っているのです」
大事なのは、テクノロジーを教区民や信徒のためだけでなく、広く社会を助けるために使うことです」
エリック・サロビア氏
ヴァチカン系列として初めて設立されたテクノロジー専門のシンクタンクOptic創業者

まとめ

インターネット、遺伝子操作、クローン、量子力学など
2000年以上前から続く教義と最新テクノロジーは辻褄が合わなくなってしまいます。

そのため、今までの宗教界は、テクノロジーについて言及することはあまりありませんでした。
そして、何千年も同じことを繰り返しています。

かつてキリスト協会は、教義と科学の辻褄があわなくなったため、ガリレオで有名になった異端裁判や魔女狩りなど黒い歴史を重ねてきました。
その反省もあるのでしょうか?

その黒歴史を乗り越えてのバチカンの試みは、評価されるものと思っています。
自分たちの教義とテクノロジーを拒絶するのではなく、共存の道を模索しているような気がします。

他の宗教ではどうなんでしょうか?

これからの宗教は、インターネットをはじめテクノロジーとの対峙が必要になってきます。
そこを融合させることができたところが、ひろく信奉される時代になると予想しています。

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