ファーウェイの旧型スマホにGoogleのサービスがアップデートされることを約束した。
ファーウェイは、現在、米国から厳しい制限をうけている。
そのため、最新のスマートフォンには、Google Play、GMail、Google Mapなどのサービスを導入できないようになっている。
では、Googleのサービスが使えているファーウェイのスマートフォンはどうなるの?
今回のIT小僧の時事放談は、
ファーウェイの旧型スマホ「Googleサービスのアップデートを保証するよ」と約束したけど大丈夫?
と題して、米国 vs 中国の政府間の争いに迷惑している人に朗報というお話です。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
スマートフォン消滅の危機
ファーウェイ(英語:Huawei、中国語:華為)は、昨年(2019年)5月に米政府による禁輸措置が実施されました。
その影響で、昨年(2019年)5月以降に発売されたスマートフォンにGoogleのサービス(Google Mobile Services:略 GSM)が搭載されていない状況が続いています。
- ファーウェイは、Android代替の「Harmony OS」を発表、そして自社でアプリの供給を開始
- HMS(ファーウェイモバイルサービス)エコシステムを発表
最新のスマートフォンは、HMSを通じてアプリをダウンロードして使うことができます。
もともと中国国内では、Googleのサービスは、使えなかったわけですから、影響を受けるのは輸出モデルとなります。
ここまでは、よかったのですが、米国の締め付けは厳しく、ファーウェイに対してさらに禁輸措置を強化しました。
【ワシントン=鳳山太成】米商務省は17日、中国の華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化すると発表した。米国技術が関わる半導体やソフトがファーウェイにわたるのを完全に遮断する。同社の経営への打撃は一段と広がり、米中対立が激しくなるのは必至だ。
日経新聞
というわけでスマートフォンに必要なセンサー類(SONYのカメラセンサー)も含む、半導体、メモリーなども一切使用できなくなります。
これは、ファーウェイ製のスマートフォンに死をもたらすことになり、自社開発していたkirinと呼ばれるチップも開発中止となりそうです。
5Gにも影響
影響は、スマートフォンにとどまらず、5Gの基地局などにも影響がでてきます。
詳しくは、日経新聞 2020/8/17のリンクをみてください。
一時的な一般ライセンス期限切れ
そして、さらなる問題が発生しています。
米商務省安全保障局(BIS)がファーウェイに対して禁輸制裁を行ったのですが、
禁輸制裁発動前にリリースされた機種については特例措置が設けられライセンスの延長が認められていました。
この一時的な一般ライセンス(TGL)が、2020年8月13日に期限切れとなったのです。
つまり、旧機種のスマートフォンのライセンスもなくなり、Googleのサービスが、亡くなってしまう恐れがあったのです。
ソフトウェアの度に必要となるGoogleの認証が、なくなれば、Googleのサービスは使えません。
でも安心して
ファーウェイの公式アカウントから
「既存の機種については影響はない」
「今まで通りセキュリティーアップデートとソフトウェアアップデートを提供する」
とコメントがTwitterでコメントされました。
Hi there, thank you for your message. There is no impact on existing devices. We will continue to share security and software updates to our devices, as we always have. If you have any questions, please let us know via DM.
— Huawei Mobile (@HuaweiMobile) August 17, 2020
これは、Mina Timothawes さんの質問にファーウェイの公式アカウントが答えています。
非常にコスパの良い Huawei P20シリーズやP30シリーズのユーザーは多いと思います。
これで安心してしばらくは、Googleのサービスが使える
バンザイ!!!
いや、それって、大丈夫?
米国側が「ノー」だったらGoogleのサービスは使えない
ちょっとまって、
「既存の機種については影響はない」
「今まで通りセキュリティーアップデートとソフトウェアアップデートを提供する」
とTwitterでコメントしたファーウェイですが、米商務省安全保障局(BIS)は、正式なコメントが出ていないのです。
いくらファーウェイが、大丈夫と言っても、米国側が「ノー」と言ったら
Googleのサービスは使えなくなります。
米商務省安全保障局(BIS)が再延長する可能性もあるかも知れないが、最悪の場合旧型のファーウェイのスマホは、アップデートできず、セキュリティに不安を抱えながら使用することになる可能性もあるのです。
米商務省安全保障局(BIS)最新コメント 2020/08/18
2020/08/18に入ってきた最新のニュースによると
米商務省産業安全保障局(BIS)は8月17日(米国東部時間、以下同)、「エンティティリスト(Entity List)」に掲載されている中国Huawei(華為技術)および同社の関連企業について、米国由来の技術やソフトウェアへのアクセス制限を強化した旨を発表した。合わせて、BISはエンティティリストの対象企業を38社追加したことも公表した。
さらに、同省は5月15日に実施した「一時的一般許可証(TGL)」の有効期限が切れたことも発表した。TGLが無効になったことにより、ネットワーク設備やスマートフォンやタブレット端末のソフトウェア更新やネットワークの保守・運用に必要な商取引についても、BISの承認が必要となる。
ITメディア
米国商務省
https://www.commerce.gov/news/press-releases/2020/08/commerce-department-further-restricts-huawei-access-us-technology-and
ファーウェイは、絶体絶命状態に追い込まれたわけです。
もっとも米国商務省が、「一時的一般許可証(TGL)の延長」を承認すれば問題はあないのです。
では、Googleのコメントは?
Googleの広報担当者は、以下のようにコメントしています。
「同社(Google)がこれまでアップデート配信を許可したのは、一時的一般許可証(TGL)に基づいていた」
しかし、それ以上のコメントは、なし(拒否)です。
また、Googleは、2020年2月にAndroidの公式ヘルプで
「無資格のファーウェイ製デバイスにアプリをサイドロード(Google Playなど正規ストアを経由せずに野良アプリをインストールすること)しないように」
とお触れを出しています。
一時的一般許可証(TGL)が期限切れになった「無資格のファーウェイスマホ」は、Googleサービス搭載済み端末が含まれる恐れも否定できないのです。
Googleが取引の承認を米商務省産業安全保障局(BIS)から得られれば問題を回避できるが、申請は原則拒否のポリシーを取っていると思われます。
え??? それってやばくない!
そう でももっとヤバくなりそうなんです。
さらなる規制
米国商務省の公式文書
https://www.commerce.gov/news/press-releases/2020/08/commerce-department-further-restricts-huawei-access-us-technology-and
中国は、妥協点をみつけないと、ファーウェイだけではなく、他の中国メーカーのスマートフォンまで規制の対象になる可能性もあるかも知れません。
もっとも、今回のターゲットは、ファーウェイというのが明確なので他のスマートフォンメーカーまで規制は、ない気もします。
また、米商務省産業安全保障局(BIS)の発表した
「エンティティリスト(Entity List)」に掲載されている中国Huawei(華為技術)および同社の関連企業には、日本ファーウェイは含まれていませんでした。
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まとめ
米国が中国に行っているデジタル戦争は、米国が圧倒的に有利です。
「ファーウェイのスマートフォンが優秀だ」
と言われていましたが、米国、台湾、日本、韓国の部品がなけえば「なにもつくれない」ことが証明されてしまいました。
ガジェットオタクのIT小僧もファーウェイのWi-Fiルータを持っていますがこれもNGになるのでしょうか?
先のことは、まったくわかりませんが、情報が入り次第、当ブログで報告します。
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