日本は、iPhone王国である。
一時期、7割以上の人がiPhoneを使っていたこともあった。
電車の中で見渡せば、みんなiPhoneを使っていた。
こんな国は、他にはない。
iPhoneが、選ばれて理由はいくつかありあますが、そのひとつが
「だって、一番安いスマートフォンがiPhoneだったから・・・」
iPhoneは、かつて実質価格で一番安い買えるまともなスマートフォンだったのです。
そのiPhone王国の崩壊が近づいている。
総務省の打ち出した、改正電気通信事業法の案に対して、iPhoneは差別されている。
とアップル社は、抗議をしました。
今回のIT小僧の時事放談は、
iPhoneは、差別されている! 総務省のやり方にアップル社が抗議 改正電気通信事業法のはなし
と題して、アップル社が、総務省に抗議しているという話である。
いったいアップル社は、何について怒っているのでさろうか?
小難しい話をわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んで頂ければ幸いです。
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目次
改正電気通信事業法
2018年夏から始まった「総務省による携帯電話会社に対する圧力(指導)」は、想像以上のインパクトがあった。
- 携帯電話料金を下げろ。
- 通信料金と端末を完全に分離して端末は、ほぼ定価販売
- 2年とか4年縛りをやめろ。
- 端末の値引きを最大2万円以下にしろ
- 値引きして良い端末の規定をしたぞ
- 解約料金を1000以下にしろ。
他にもいろいろとありますが、現在総務省が出している案の主なものは、こんなところでしょうか?
総務省の主な目的は
「分かりづらい携帯電話料金を端末と分離することで 分かりやすい料金体系にするとともに料金を下げろ。そのかわり、端末は、ほぼ定価で販売しなさい」
なぜ端末を定価にするかというと
「端末の半額近い金額を携帯電話会社が補填という形で通信料金の中に混ぜている 疑いがある」
そのため
「端末の買い替えが少ない人も高価な端末を買い替えている人を負担しているかも知れない」
だから
「通信料金は、通信料金で分離、端末は、定価で販売すれば、不公平はなくなる」
という論理だと推定されます。
そのため、数々の規制をくぐり抜けてきた残価設定ローンのようなKDDIの「アップグレードプログラムEX」も廃止されることになった。
これからは、「実質半額」のような値段でスマートフォンを所有することはできなくなります。
値段が上る前に買い換えるのもありだと思います。
アップル社が噛み付いた。
「改正電気通信事業法の案に対して、一般に意見を募集」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban03_02000568.html
総務省が、意見を求めたところ、アップル社が猛抗議を表明した。
「アップル潰し」
「不公平」
「議論のプロセスが不透明」
と言っている。
なぜ抗議するかというと
アップル社のiPhone 8が、値引きされなくなる可能性があるので商売上都合が悪い。
ということになってしまうからです。
総務省の端末値引きに何する省令案によると
- 製品の最終調達日から24か月が経過したものは半額に割引できる。
- 製品の製造が中止されており、最終調達日から24か月が経過しているものは8割引が可能
- 製品の製造が中止され、最終調達日から12か月経過しているものは半額の割引
の3つが記載されている。
iPhone 8は、2年前に発売された端末で、日本において最新のiPhoneより圧倒的に売れています。
売れている理由は、キャリアによる大幅値引きの要因が大きい。
そのiPhone 8は、総務省の端末値引き条件に該当しないため、値引き幅が縮小されてしまい、値上がりします。
そのことについて
前の世代の製品で、様々な価格帯を設けることで、お客様に最適なiPhoneを選べる自由を提供している。(中略)このアプローチはアップルの業績に寄与しただけでなく、電気通信市場における消費者利益を保護し、競争を促進するという電気通信事業法の目的をより積極的に実現してきた。残念なことに総務省令案は、その逆のことをしている。日本のユーザーから選択肢が奪われ、競争が減ることで、高価格な市場が作り出されてしまう
とアップル社は反論
「日本のユーザーから選択肢が奪われ」とか、いろいろと言っていますが、
「値引き販売されている iPhone 8が、主力商品なのに 値上がりしたら売れなくなる」
ということが本音でしょう。
さらにiPhoneだけではなくiPad(セルラーモデル)に対しても「端末値引きに何する省令案」に該当するとして反発しています。
公開された記録を検証する限り、総務省の研究会や国会において、本案にタブレット端末を含めることについてほとんど議論がなされなかったことが判明している。私達は本案へタブレット端末を含めることに改めて反対する。追加でしかるべき手順を踏んだ議論が必要であると考える。
過去に独占禁止法の疑いを驅けられたアップル社と日本のお役所との再戦ということでしょうか?
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値引きされる端末
総務省の端末値引きに何する省令案をつくためにAndroid端末メーカーは、おそらく値引きできるようにいろいろと策を練ってくるはず。
「製品の製造が中止され、最終調達日から12か月経過しているものは半額の割引」
これに対応するために高い値付けでスマートフォンを発売し、数ヶ月で製造中止
一年後には、半額で大量に売りさばく
※といっても半額でも儲かる値付けにしておけば、在庫処理でも儲かる仕組みです。
昨今のAndroid端末は、3万円以下でも日常使いには、十分なスペックを持っていて、ハイスペックなゲームをしない限りストレスも余り感じないレベルになっています。
特にファーウェイ(華為)のliteシリーズは、定価格で高性能、カメラの性能はiPhoneに勝てませんが、そこを気にしなければ、十分使えるスマートフォンになっています。
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囲い込み戦略の崩壊
アップル社が恐れているのは
高価なiPhoneを敬遠してAndroidのユーザーが増えること
アップル社のサービスは、一部を除いてiPhone(iPad)でしか使えません。
iPhoneが.前提であるサービス展開なのでAndroid端末が増えると売上に影響が大きく出るのです。
今まで大きなシェアを維持していた日本でも少しずつiPhone離れが起きています。
「ハイスペックなスマートフォンは必要ない」
「パソコンより高価なスマートフォンは、ありえない」
「低価格のAndroidで十分」
割引されたiPhone 8が、買い替えユーザーを支えていたのですが、今後値引きされなくなると
iPhoneからの乗り換えが多くなるでしょう。
数年ごとに値引きされなくなった10万円以上のiPhoneを買い換えるというユーザーは、そんなに多くないと思います。
実質半額というマジックが、なくなってもiPhoneは売れ続けるのでしょうか?
まとめ
2019年10月からの消費税増税、改正電気通信事業法による端末値引きの消失により
高価なスマートフォンは売れなくなります。
主力は、5万円以下、3万円程度のスマートフォンが主力となるでしょう。
高価格のiPhoneをキャリアの値引きでお買い得感を出してきたiPhoneにとって厳しい秋がやってきそうです。
5万円程度でiPhone SE2 とか・・・
今のCEOじゃ 出さないだろうな
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