自動車向け駆動用二次電池世界市場、2035年には2019年比7.4倍の19兆7185億円 富士経済予測
村田製作所が、2021年初めに量産化と発表
全固体電池がここにきて一気に盛り上がりをみせている。
今回のIT小僧の時事放談は、
全固体電池 開発競争 日の丸プロジェクト vs 米国ベンチャー 勝つのはどっちだ!
と題して 日米電池競争の行方について考えてみました。
小難しい話をできる限りわかりやすく解説しながらブログにまとめました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
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目次
最新ニュース
2020年9月3日
【BEVか?水素エンジンか?】BEV航続距離2倍も 「全固体電池」量産化間近か
エネルギー密度2倍と言われる全固体電池の開発が、いよいよ大詰めである。これまでのリチウムイオン電池は、プラスとマイナスの磁極の間に電解質として電解液を使用していた。全固体電池では電解質を固体として、エネルギー密度を2倍にしようとしているのだ。自動車用全固体電池の量産も、いよいよ近づいている。
9月3日(木)8時0分 財経新聞
BEV. 英語: battery electric vehicle
バッテリを動力源とする電気自動車で、外部電源を用いて充電する方式のもの。一般には単にEVと表すが、燃料電池で発電して走行する電気自動車(FCEV/FCV)と区別するために用いる。
2020年8月14日
いよいよ21年初めに量産へ!村田製作所の全固体電池は何に使われる?
村田製作所は2020年度下期に量産を始める全固体電池について、補聴器などに採用される見通しを明らかにした。ロボット向けなどの位置制御機器や、工場などで環境データを収集するIoT(モノのインターネット)機器などにも採用される予定。同社はさらに容量が現状比20―30%高いタイプの開発を進めていることも明かした。高容量タイプは長時間利用前提のワイヤレスイヤホン向けで21年の早い段階に量産したい考え
中略
全固体電池はFDKやマクセル、太陽誘電など電子部品各社が次世代電池として開発に力を入れ、20年から21年にかけ量産が計画されている。また自動車業界でもポストリチウムイオン電池として、電気自動車(EV)向けなどに開発競争が過熱している。富士経済(東京都中央区)の19年調査によると、全固体電池の世界市場は18年の24億円から35年には2兆6772億円へと急拡大する見通し。
ヤフー・ニュース
2018年8月7日
東京工業大学の一杉太郎教授らは、東北大学の河底秀幸助教、日本工業大学の白木將教授と共同で、高出力型の全固体電池で極めて低い界面抵抗を実現し、超高速充放電の実証に成功した。
https://response.jp/article/2018/08/07/312844.html
EVの爆発的普及
EV(Electric Vehicle)要は、電気自動車ですが、世界的に爆発的に普及します。
そりゃそうですよ
なにせ ガソリン/ディーゼル車の販売ができなくなりますから
ノルウェー
2025年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド販売禁止
スウェーデン
2030年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド販売禁止
オランダ
2025年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド販売禁止
ドイツ
2030年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド販売禁止
フランス
2040年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド販売禁止
イギリス
2040年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド販売禁止
中国
2019年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド規制
インド
2030年からガソリン/デーゼル/ハイブリッド販売禁止
アメリカ
2018年からガソリン/デーゼル規制
(カリフォルニア州)
世界的に、10年以内にガソリン/ディーゼル車は、販売できなくなります。
日本は、何も方針を出していません。
そりゃ、そうでしょう、自動車製造で成り立っている日本経済は、直接関わっているだけで多くの労働人口を抱えています。
販売・整備関連:約110万人
製造分野:約80万人
その他、ガソリンスタンドなどのサービス業をを加えると200万人の人間がクルマ関連で生活しています。
EVに切り替わったとしたら、このうち、かなりの人が仕事を失うだろうし、エンジン関係の部品製造、ガソリンスタンド、自動車整備などは先がありません。
EVになると構造が簡単になるので整備の殆どは、ディーラーになるでしょうから街の整備工場は厳しくなるわけです。
日本が、ガソリン/デーゼルに対して規制を出していない理由がもう一つあります。
お役所主導ではじまった水素自動車です。
そもそも、水素スタンドなどガソリンスタンドの5倍近くかかる施設など民間でできるわけがない。
税金を投入していますが、肝心のクルマが普及していないので水素スタンドをつくっても利益が出ません。
ここは、以前、ブログで書いたので読んでいただけるとわかると思います。
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というように、自動車産業が大きな転換期を迎えています。
いや、日本もEVの根幹部分の電池で勝負しようとしています。
リチウムイオン二次電池(LIB:lithium ion battery)
スマートフォンをはじめ、今や大量のバッテリーを持ち歩いています。
その多くが、リチウムイオン電池
リチウムイオン二次電池(LIB:lithium ion battery)
4Vと高い作動電圧と、高い重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を持っていて現在のところ主流となっています。
詳しいことを省略しますが、
正極、負極、セパレータ、電解液の4つの主要材料でできています。
問題は、この電解液 つまり液体です。
正確には、粘度の高い液体というべきものがはいっています。
この電解液は、発火性を持っているため、液が漏れると燃えたり爆発事故が起きます。
※参考知識
実は、リチウムイオン二次電池(LIB)は、ソニーが世界ではじめて実用化しました。
この電解液がバッテリーの性能を左右するのですが、リチウムイオン二次電池は、中国、韓国が先を走っていて日本は遅れ始めました。
小さく大容量のモバイルバッテリーのメーカーが中国が多いのも納得です。
個人的にAnkerのバッテリーは、本当に使いやすいです。
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全固体電池 開発競争
「リチウムイオン二次電池(LIB)の電解液を個体にしてしまえ」
というのが、全固体電池の発想です。
この全固体電池、まだ実用研究中ですが、
安全性
エネルギー密度
大きな出力が得られる
特に電解液が漏れて燃えたり、爆発したりの危険性が構造上発生しないためEV普及の鍵を握っています。
世界中で実用化に向けて研究が進んでいて競争が激化しています。
実用化できたところが、EVどころか、バッテリー業界の覇権を握ることになります。
そりゃ、必死になりますわ
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization)
日本語では
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
経済産業省所管の独立行政法人になります。
数年前ですが
『NEDO検査、ニセ半導体見せすり抜け スパコン詐欺』
とイメージ悪いですね。
全固体電池 開発
NEDO主催で日本企業23社が参加する100億円規模の開発プロジェクトを発足
助成額
・約100億円
期間
・2022年度末までの約5年間
・2018年7月から始動(もうスタートしていますね)
参加企業
・リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)に加えて、自動車・2輪メーカー5社、電池メーカー5社、そして材料や製造装置メーカー13社の計23社
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100121.html
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/ne/18/00025/00001/?P=1
方針
・トヨタ自動車、日産自動車、本田技術研究所という日本の大手自動車企業3社とパナソニックが開発を主導、全固体電池の高性能化と量産技術の開発を進める。
参加人員
リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)の約20人
企業から派遣される約40人
および大学などから約40人の計約100人体制
記者会見の質問
質問
今どきオールジャパンで勝てるのか?
回答
トヨタ自動車の射場氏は「全固体電池の開発では、日本に先進技術を持つ企業が多く、今回のオールジャパンの体制が最適」
その時の集合写真がこれ
企業同士の縄張りや確執とか、大学の縄張りとか、よほどプロジェクトマネージャー、リーダーがしっかりしていないと分裂しそうな雰囲気です。
そもそも、お役所、大学、企業の合同研究なんてでまとまるとは、思えない。
企業から派遣されてくるエリート達ではなく、ゴジラの巨災対のような、ハグレモノの集団のほうがうまくいきそうな気がします。
この集合写真を見たとき思ったこと
失敗しそうな予感がします。
このあと紹介する米国ベンチャー企業は、強力ですよ。
米国ベンチャー
米Ionic Materials(イオニックマテリアルズ)
2018年2月、日立化成や日産自動車グループ、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)や英Dyson(ダイソン)といった大手企業から計6500万米ドル(約71億円)を調達
米QuantumScape(クアンタムスケープ)
2018年6月に、ドイツVolskwagen(フォルクスワーゲン、VW)から1億米ドル(約110億円)の追加出資
・Stanford University発のベンチャー
・Volskwagenは、2025年に全固体電池実用化を発表
・2010年から「All-Electron Battery(AEB、全電子電池)」を開始
米SolidEnergy Systems(ソリッドエナジーシステムズ)
米General Motors Venturesなどから計5450万米ドル(約60億円)の出資
・米Massachusetts Institute of Technology(MIT)発のベンチャーで、
・負極に金属Liを用いた全固体LIBのセルを2017年に開発
かなり強力だな
しかもベンチャーなので動きやすい、資金も豊富、特に米QuantumScape(クアンタムスケープ)は、相当先に進んでいるのではないでしょうか?
2018年7月から始動する、合同プロジェクトと資金が潤沢な米ベンチャー企業
勝負は、見えているような気がするのは自分だけでしょうか?
まとめ
官民合同プロジェクトって成功するのでしょうか?
お役人は、失敗を極端に恐れる人たちなので
「成功しなくても 失敗しなければよい」
という感覚だし
企業側も
「自社に利益がなければ 協力しない」
と思います。
協力して、いいとこだけを他の企業が持っていかないとも限らないからです。
日の丸ジェット MRJもヤバそうですよね
開発遅れまくりでキャンセルも出始めました。
一方ホンダジェットは、売れ始めています。
このようなプロジェクトは、少し頭のぶっとんだベンチャー企業を各社が投資するスタイルじゃないと成功しないと思います。
この国の企業は、お金を持っているのに「ポン」と投資をすることもないし、お役所は、面倒な手続きばかり
そんなんじゃ、
世界でぶっちぎるようなベンチャー企業など日本から絶対に出てこない。
日の丸プロジェクト vs 米国ベンチャーの勝者は、どこになるのか?
一年後、辺りに結果が出ているような気がするので、引き続き情報チェックをして動きがあったら、またブログにします
バッテリーの話を最後まで読んでいただきありがとうございます。
固定電池ではないですが、モバイルバッテリーは緊急時に頼りになります。
一つは、カバンに入れておくことをおすすめします。
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