今から40年ほど前のこと
日本のテレビは、海外ドラマが、放送されていました。。
「スタハチ」こと「刑事 スタスキー&ハッチ(Starsky and Hutch)」
「白バイ野郎ジョン&パンチ(CHiPs)」
とか刑事分野が多いわけですが、「政府特殊機関分野」では、
「地上最強の美女バイオニック・ジェミー(The Bionic Woman)」 1976年
が好きなドラマでよく見ていました。
リンゼイ・ワグナー演じる「ジェミー・ソマーズ」は、スカイダイビングの事故で
両足、右腕を失い、OSIという政府機関のもと
両足、右腕、右耳をバイオニック化され、政府機関のもと活躍するというストーリーです。
このバイオニック移植、どうやら現実の世界に登場しそうというお話です。
今回のIT小僧の時事放談は、
バイオニックハンド 手を動かす感覚を取り戻せ
と題して
「最新義手」
について考えてみました。
今回も小難しい話をできるだけ簡単にブログにしました。
最後まで読んでいただけると幸いです。
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目次
バイオニックハンド
米在住のAmanda Kittsさんは、2006年に自動車事故で左腕を失いました。
彼女は、クリーブランドクリニック医療センター( Cleveland Clinic medical center)でバイオニックハンド(BIONIC HAND)を操っています。
バイオニックハンドは、強化プラスチックでできていて、彼女の腕の神経の電気信号をバイオニックハンドの接続端子で読み取り、コンピュータ制御で動かすことが可能になりました。
手を握る、手を振るなど自分の意志通りに動かすことができるというテクノロジーは、かなり進んでいます。
RESEARCHERS RESTORE ELUSIVE SIXTH SENSE TO LOST LIMBS
「研究者達は、失われた手足の運動感覚(第六感)を取り戻しました。」
とでも訳すべきでしょうか?
Amanda Kittsさんは、バイオニックハンドを動かすときに その手の感覚を掴むことができるのです。
従来のバイオニックハンドでものを掴むためには
「眼」で見ることで「今、腕がどこにあるか」を認識
「もう少し 上」
という司令を出して操作します。
今回開発されたバイオニックハンドは、
「眼ではなく 感覚」で「今、腕がどこにあるか」を認識
「もう少し 上」
という司令を出して操作することができます。
つまり、バイオニックハンドの状態をAmanda Kittsさんにフィードバックするのです。
彼女は、手の状態、腕の位置を「感覚」で知ることができるわけです。
神経生理学では、身体の動作や位置についての感覚を「運動感覚」と呼んでいるそうですが、
バイオニックハンドの状況を電気信号に変えることと人間に伝えることに成功しています。
これは、日常、無意識でやっている
「このあたりにドアノブがある」
というのを眼で見なくても感覚でドアノブを掴みをドア開けるという動作
を実現できるということになります。
錯覚の可能性
四肢を失った人に振動を与えることで、失った手足の動きを感じることができるなどの錯覚を解析することでバイオニックハンドの可能性を広げようとしています。
これは、「ピノキオの錯覚」と呼ばれる、現象のひとつと言われていて
「鼻先をつまみながら上腕二頭筋の腱に振動刺激を与えると、肘関節が伸びて、手が顔からだんだん離れていくような感覚に陥る。」
バイオニックハンドは、腕をコントロールしていた神経繊維を上腕筋や胸筋など残った筋肉につなぎ直し、ここから電気信号を送って義手を動かしています。
この一方的だった電気信号に「腕があるような錯覚」と呼べる現象を解析、人工的な電気信号に変換して運動感覚のフィードバック信号を戻します。
そうすることで「腕の感覚」を認識させることができるようになりAmanda Kittsさんは、手を見なくても上手に手を動かすことができるようになったのです。
さらなる可能性
バイオニックハンドの研究者達は、皮膚感覚も研究しています。
皮膚感覚が実現できれば、何かに触っているという感覚を認識できるため、バイオニックハンドの可能性は広がります。
しかし、皮膚感覚というものは、繊細かつ情報量が多いため実現は、まだ先と表明しています。
課題
複雑な手の動きをすべて「運動感覚のフィードバック信号」に変えることは、今の所、完全ではなく、外部コンピュータに頼る必要があります。
図のように大掛かりな仕組みが必要です。
小型化されない限り、外で自由に活動することは、難しそうです。
しかし、20年ほど前まで、自分の居場所が瞬時にわかったり、声で機械に命令したりということは、はるか未来の話と思っていました。
しかし、今は、数千円のスマートスピーカーで実現できています。
まだ大掛かりだけど、テクノロジーの進歩は、加速度的にスピードアップされます。
そう、遠くない未来に人の手以上の能力を持つバイオニックハンドが開発されることでしょう。
まとめ
バイオニック・ジェミーは、不慮の事故でバイオニック手術を受け、諜報部員として働く道を選びました。
そのスーパーパワーでアメリカ(世界)の平和を守ることになるわけです。
ある意味、OSIという組織に利用されたのかも知れません。
テクノロジーの進歩で人が幸福になるのは、もちろんですが、その反面、テクノロジーは、戦争に利用されます。
そこのバランスが難しいと思っています。
この研究で多くの人が幸福を掴むことを望みます。
参照:WIRED
https://www.wired.com/story/researchers-restore-feeling-to-lost-limbskinda/
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