PNGファイル ブログだけではなく多くの画像ファイルフォーマットとして知られています。
現在の仕様は、第2版ですが、22年ぶりに新仕様となる第3版を発表しました。
画像ファイルフォーマットとして長らく親しまれてきたPNG(Portable Network Graphics)が、22年ぶりとなる大きなアップデートを迎えました。新たに発表された「第3版仕様」では、最新の映像技術にも対応可能なHDRやアニメーションPNG(APNG)、そしてExifメタデータのサポートが盛り込まれています。
それでは、純を追って追加仕様を確認してみよう
目次
📸 HDRサポートで色彩表現が格段に向上
今回のアップデートの目玉のひとつがHDR(ハイダイナミックレンジ)対応です。HDRでは、従来よりも広い色域と輝度範囲を再現できるため、より鮮やかでリアルな画像表現が可能になります。
HDRをサポートするPNGファイルでは、わずか4バイトのオーバーヘッドでこれを実現できるとのこと。仕様の軽さも魅力です。
さらに、仕様策定に関わったChris Lilley氏の技術解説ブログでは、「耳の生えた白いマスコットキャラがケーキを見つめるHDR画像」が紹介されており、HDRによってピンク色の発色がより鮮明</strongになっている様子が視覚的に確認できます。
以下の画像は人間の目が認識できる色を示したもので、内側にある小さな三角形(黒線)はほとんどの画像の色空間を表したもの、大きな三角形(点線)はHDR画像の色空間を表したものです。
cICP in PNG, explained
https://svgees.us/blog/cICP.html#introducing-cicp
🎞️ APNG(アニメーションPNG)も公式対応に
Mozillaがかつて提案したAPNG(Animated PNG)も、ついに公式仕様としてPNGに組み込まれました。アニメーションをサポートしながらも透明背景や非劣化の利点を兼ね備えた形式で、すでに主要ブラウザやアプリで広く対応が進んでいます。
W3C PNGワーキンググループの議長であるChris Bloom氏は、「いまこそ公式対応に最適なタイミング」と述べています。
📷 Exifメタデータもついに対応
Exifとは、撮影日時・カメラ情報・シャッター速度・ISO感度などの情報を画像に記録するメタデータ規格です。これまでJPEGなどに限定されていたExifが、今回の第3版でPNGでも公式にサポートされました。
これにより、カメラやスマホで撮影したPNG画像にも詳細な情報が付与でき、写真整理や編集がさらに便利になります。
🌐 業界が待ち望んだ仕様、ついに実現
W3Cの作業部会(TTML/WebVTT)や、Adobe、Apple、BBC、Google、NBCUniversalなどの業界大手も、新仕様の実現に大きく関わりました。これにより、映像制作・配信業界の現場でも、PNGの活用シーンが大きく広がると予想されます。
すでに、Chrome・Safari・Firefox・macOS・iOS・Photoshop・DaVinci Resolve・Avid Media Composerなど、主要なソフトウェアやOSがこの新仕様をサポート済みです。
🔮 今後のアップデート予定(第4版・第5版)
Chris Bloom氏によると、次の「第4版」ではHDRとSDRの相互運用性の向上が予定されており、さらに「第5版」では圧縮率の向上なども視野に入れたアップデートが進行中とのこと。
今回のアップデートは、PNGが「今でも現役で進化するフォーマット」であることを世界に示した出来事といえるでしょう。
🔗 参考リンク
PNG画像を取り扱うすべてのクリエイター・開発者の方は、ぜひ今回のアップデートに注目してください!