なんとか離れ
もう聞き飽きたキーワードですね。
若者のクルマ離れ
若者の酒離れ
若者の恋愛離れ
若者のLINE離れ
その離れシリーズ?に ラジオ離れ というのもあります。
TVの登場で危機が伝えられた時期もあって経営的に厳しい状況が続きましたが、インターネットの普及に伴い再びラジオが見直されてきました。
今回の
IT小僧の時事放談
では、
ラジオの復活 テレビの衰退 インターネットは、敵か味方か? 音声サービスの流行の兆し
と題して
インターネットに取り組んだことに成功したラジオについて考えてみました。
今回も小難しい話をできるだけ簡単に解説しながらブログにしました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。
スポンサーリンク
目次
radiko利用者1000万人越え
音声配信サービスの復活という記事が出ている。
新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えるなか、音声配信サービスの市場が活気づいている。国内のネットラジオ最大手radiko(ラジコ)の月間利用者は1000万人が視野に入り、民放の動画配信に迫る勢いだ。新たな技術を使った参入組も相次ぐ。米国では広告価値が高まり、買収も起きている。
日本経済新聞 8月20日 電子版
radikoが普及したのは、新型コロナウィルスの影響で家に引きこもることになったことが要因かと思います。
ラジコには民放ラジオ各社などが共同出資する。6月の月間利用者数は860万人と2月下旬に比べ15%増え、月350円の有料会員は79万人に達した。1人あたりの聴く時間も伸び、6月ののべ利用時間は約70億分と2月から3割増えた。
ラジコの青木貴博社長は「これほどリスナーが増えたのは東日本大震災以来だ。2020年度中に利用者1000万人をめざす」と語る。ラジコと似たモデルで民放のテレビ番組をネットで配信する「TVer(ティーバー)」(6月時点で1009万人)に迫る。
ラジオなどの音声サービスは、作業をしながら聴くことができるし、音声と言う情報は、テレビなどの映像と違い理解するために頭を使う
radikoのページには、このようなワードが並んでいた
これが、本当かどうかは、わかりませんが、radikoが支持されていることは事実、メディアとしてテレビに敗北したラジオ
また、経営難が伝えられるラジオですが、インターネットを活用することに成功しつつあります。
テレビが王様だった時代
昭和40年代から平成にかけてTVと新聞が、情報の中心でした。
テレビと新聞がすべてだった
そしてそこから流れてくる情報は、「真実」と思い込まされていました。
TVで放映されたものが流行り、TVで流れる曲がヒット、ミリオンセラーも年にいくつか出ているという時代でした。
「ドラマ」「ワイドショー」「ニュースショー」などから
意図して情報が発信されていました
あるスポンサーが「これを売りたい」と広告会社に持ち込めば、戦略を作り上げ、ブームが来て大ヒット商品に結びつく。
その影響力を武器にTVが権力を持っていました。
スポンサーが問題を起こしても
ニュースでは取り上げなかったり
都合の悪いことは、報道しませんでした
インターネットが登場してくるまで、テレビや新聞の影響は大きく、情報に偏りがあっても気が付きませんでした。
それは、人々を扇動する媒体として都合が良かったのです。
テレビが王様だったことのラジオ
当時のラジオは、深夜放送全盛期、「オールナイトニッポン」「セイヤング」に象徴されるように若者を中心に聴かれていた時代でした。
また、昼の時間は、「大沢悠里のゆうゆうワイド」などワイド情報番組が、仕事をしながら聴いている人を中心に聴かれていました。
当時から「若者はTVを見ないことがカッコイイ」という一定の層はありました。
一部ですが、すでに「若者のTV離れ」は、始まっていたのです。
ラジオは、当時から比較的、自由な世界で深夜放送を中心に放送コードギリギリを狙っていて
TVでは、報道できないことをネタにしたり
タレントが直接発信したり
など、TVでは、できないことをやっていました。
しかし、TVの前に叶うべくもなく、ラジオ不況時代がはじまります。
深夜放送が改変され、看板番組の終了が相次ぎ、マニアしか聞かない時代となってゆきます。
テレビ地上波の衰退
テレビ局、特に地上波の衰退が言われている。
視聴率は、下がり、スポンサーがインターネットに注力、番組制作費が下がることで番組の質が低下する。
悪循環は止まらずテレビからタレントもネットに移動し始めている。
なにより、規制が増えてしまい表現の制約が大きい。
昭和の時代に女性のヌードがゴールデンタイムで流れていたなど(志村けんのバカ殿など)、今のテレビ世代には想像もできないだろう。
タレントやアーティストの多くがYouTubeに流れるのももっともな話である。
インターネット時代
iPhoneが日本に上陸するまで、インターネットはメディアとしてそれほど大きな力を持っていませんでした。
パソコンを使う人は、仕事かマニアの人に限られ、携帯電話のインターネット接続もメールや曲のダウンロードなどが中心でコミュニティの誕生までにいたりませんでした。
iPhoneの普及で状況が一変しました。
SNSというメディアが現れ、誰でも情報発信者となることができるようになったわけです。
世界中のニュースをリアルタイムでみることができ、映像もライブで流れてきました。
と同時にTVのニュースとネットのニュースに差異が出てくることがわかってきます。
象徴的なのは、「日韓共催ワールドカップ」です。
3位決定戦でトルコvs韓国の試合で
TVは、
「韓国を応援している人が、国立競技場に大勢集まっています。」
と盛んに報道していたのですが
「トルコを応援している人がほとんどだった」
とネットで流れてきました。
あれ? おかしいぞ? と思った人も多かったのではないでしょうか?
「日韓共催ワールドカップ」でラジオの果たした役目は大きかったのです。
平日の昼に組まれた日本戦などは、街から人が消えました。
自分は、そのとき、顧客のところに行ったのですが、「担当者不在」
社内は、空っぽ、みんな、TVを見ていました
TVをみることができない人は、ラジオを聞いていました。
ポケットラジオがかなり売れたようです。
何かをしながらでも聴くことができるラジオに注目されました。
しかし
その一瞬だけで終わってしましました。
ラジオ受信機が家から消えてゆくのもこのあたりからとなります。
ワイドFM
ワイドFMは、2015年12月から開始されました。
開始された理由として
高層建築の増加
家電の電磁波の増加
パソコン
携帯電話
など電磁波が家の内外を飛び交う時代、AMラジオが聞きづらくなってきました。
AMラジオは、ノイズが乗りやすく、クリアに聞こえない。
これでは、聴く人が減ってしまうのは当然です。
そこでラジオ曲は、FM中継局を使ってAMの番組をFMで放送しようとワイドFMで放送を始めます。
ワイドFMとは、正式には「FM補完放送」と呼ばれていてAM放送を補完するという意味になります。
このことで雑音が多かったAM放送の番組をクリアで聴くことができるようになりました。
しかし、このワイドFMは、周波数が90.1Mhz以上に対応が必要なためラジオの買い替えが必要になるのです。
救世主radiko登場
2010年4月 radiko(ラジコ)というインターネット放送がはじまります。
当初は、ああまり注目されませんでしたが、電波を受信するらラジオより利点が多く、無料でスマートフォンにインストールできるため一気に普及しました。
電波を受信するラジオより多くの利点があったためです。
利点
- クリアな音質
- タイムフリーつまり聴き逃しても後から聴ける。
- 月額 350円で全国の放送局を聴くことができる。
- スマートフォン、タブレット、パソコンでも聴ける。
- アプリがなくてもブラウザで聴くことができる。
- 電波が届かなくてもネットさえつながれば聴くことができる。
- スマートスピーカーで聴くことができる。
欠点
- 数秒から数十秒の時間差が生じます。
- すべてのAM局が聴けるわけではない。
2018/04時点で参加していない放送局
AM 1局
・FM徳島 - 徳島県
FM 9局
・ドコデモFM
NHKラジオは、2019年3月末までは、実験配信実施中でしたが、2019年4月1日よりradikoの正式サービスとして配信されている。 - 配信できない番組がある。
・FIFAワールドカップ中継 2010年、2014年は、radikoでは放送できなかった。
・権利者が不明な楽曲
・政見放送
・局の判断で流せない番組あり。
・プロダクション判断
・タイムフリーは、許可しない番組
・その他の事情で配信できない番組、CMあり - エリアの制限
ラジオ局なのでエリアの制限があります。
通常ならば、関東で北海道の放送局を聴くことはできませんが、月額 350円で契約すれば聴くことができます。
欠点も、ありますが、良好な音質でいつでも聴けるというのが非常にありがたい。
2012年の震災のときには、被災地7局をエリアの制限を解除して全国で聴けるように対応していました。
スマートスピーカーが追い風
radikoによって復活しつつあるラジオは、スマートスピーカーの普及でさらに加速しています。
Amazon Echoをはじめとするスマートスピーカーの利用方法の上位には、radikoが入っています。
これは、今までラジオがない家でもラジオに接する機会が増えることを意味しています。
TVの衰退
インターネットの普及の影でTV局は、衰退しています。
フジテレビが赤字転落
民法TV局でフジテレビが赤字転落しました。
赤字までは、進んでいませんが、各局とも視聴率は、8年連続ダウンしています。
視聴率のダウンは、CM料の減少となり、収益が悪化してゆきます。
CMは、すでにインターネットが主流となりつつあります。
総務省発表:民間放送事業における売上高の推移
これを見ると一度下がって、少し戻してきたかほぼ横ばい状況です。
テレビ局は、放送法が改正されることに対して反対をしています。
主旨は、放送局の既得権益を脅かすものなので、そりゃ放送特権を剥奪されそうだと反対運動をするわけです。
ネット放送局は、abemaTVをはじめとして今後伸びてゆくはずです。
地上波の規制にとらわれない放送がまだまだ出てくるものと思います。
インターネットとの共存
ラジオ局は、インターネットの活用を早くから取り組みを行い、リスナーとのコミュニケーションが取りやすい媒体として Twitterとの連携などを積極的に進めています。
もともと、リスナーからの手紙を読むというスタイルが多いラジオ番組でリアルタイムで投稿できるインターネットは、非常に有益と判断したのでしょう。
TVだとNHKがTwitterを積極的に使おうと取り組みをやっていますが、民放局は、まだまだのようです。
一方的に情報を流すことが、伝統となっているTVでは、なかなか壁を超えることができていないような気がします。
かと言ってラジオも収益が悪化しているの事実です。
CMをインターネットが奪う状況になっています。
と言っても、一定の固定リスナーを掴んでいるラジオ局がなくなることはないでしょう。
地上波からネットTVへ
地上波から野球が消えました。
バラエティもNetflixやAmazon Video、abemaTVで独自番組を始めています。
スポーツライブは、DAZN(ダゾーン)が、野球とJリーグ、テニスを持っていったのでそれまでのスポーツチャンネルが、厳しい状況に追い込まれています。
特にスカイパーフェクトTVは、Jリーグの放映権を失って10万人以上の加入者を減らしたとも言われています。
ドラマ、バラエティも含めて、Netflix、Hulu、Amazonのような有料チャンネルに移行しつつあります。
変なスポンサーがいないことと規制が違うため、クリエイターが次々と新しい作品を発表しています。
すでに映画を超えていると個人的には思っています。
バラエティもお笑い芸人達が、地上波では絶対にできない番組を創り始めています。
対して TVは、相変わらず4Kの次は、8Kとか行っていますが、そんなに高解像度のTVって観るんでしょうか?
ハードウェアが先行しても放映する番組がなければ「3D TV」のように消えてしまうように思っています。
災害
災害が発生したときは、ラジオが頼りです。
TVは、電源がなければ役に立ちませんが、ラジオは、電池があればなんとか聴くことができます。
災害のときは、インターネットに接続できるとは限らないのでAM局が聴ける専用のものがよいと思います。
もし家にラジオがなければ、万が一のために準備が必要と思います。
[amazonjs asin="B0167QVABI" locale="JP" title="ソニー SONY ポータブルラジオ ICF-B09 : FM/AM/ワイドFM対応 手回し充電対応 オレンジ ICF-B09 D"]
音声サービス流行の兆し
世界的に音声サービスが、流行の兆しをみせています。
総務省の調べでは、18年の日本のコンテンツ市場は12兆円弱で、このうち音声系は6.4%。音楽系に押され気味だった音声系は非常時に注目されやすい。東日本大震災の時は情報収集に役立つとしてネットラジオの需要が拡大した。ラジコの青木社長は「音声なら目や手が塞がっていても情報収集でき、在宅勤務と相性がいい」という。
日本経済新聞 8月20日 電子版
欧米では、ポッドキャストが見直されていて、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、英フィナンシャル・タイムズ(FT)などのメディアが参入
そしてこれは、広告収入との拡大にもつながっていることがわかる。
Googleがポッドキャストを正式アプリにしたのは、この流れによるものだと思います。
まとめ
ラジオの復活 テレビの衰退 インターネットは、敵か味方か?
ラジオは、いちはやくネットとの連携を行い、放送もネット配信へとうつりつつあります。
なんと言っても固定リスナーが多いので安泰とは言えませんが消えることもないと思います。
TV、特に地上波は、今後ますます厳しい時代がくると思います。
ニュースも新聞もTVなど観なくても困らない時代になってきました。
テレビは、その影響力でメディアの王様として君臨していたのですが、インターネットというメディアをある意味 バカにしていたため 乗り遅れてしまいました。
しかし、いまから、この流れに乗ろうとしてもすでに遅い。
欧米そして中国では、次のメディアを模索中なのです。
スポンサーリンク