AWS re:Invent」が11月27日〜12月1日が開催されました。
「AWS re:Invent」とは、
世界中の AWS ユーザーが集まり、ベストプラクティスや最新情報を学ぶための年次カンファレンスです。
簡単に言うと「Amazon Web Services(AWS)」は、これから、こんなことやるよ!
という感じです。
今年も数多くの発表がありました。
AWSの一人勝ちだったクラウド業界も
MicrosoftのAzure(Microsoftのクラウドサービス)、Google Cloudが猛追しています。
ここでライバルたちに決定的な差をつけるためかなりAmazonはかなり攻めてきました。
今回の「IT小僧の時事放談」では、「AWS re:Invent Amazon発表したもの5つ」と題してAmazonの新戦略について語ってゆきます。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。
目次
AWSがベアメタルのEC2インスタンスを立ち上げ、しかもカスタムチップで
ベアメタルは、ソフトウェアの働きで提供される仮想マシンと違って、コンピューターのハードウェア本体そのものなので、ユーザーはハードウェアに直接アクセスでき、とくに大きなオーバヘッドもなくハードウェアのリソースを100%利用できる。またユーザーはその上で独自の仮想化を構築できるので、クラウドサーバーの自主的コントロールが増す。さらにまた、これまでライセンスやサポートの事情などで仮想マシンの上では動かせなかったアプリケーションを、EC2で動かせるようになる。
AWSがベアメタルのEC2インスタンスを立ち上げ、しかもカスタムチップで
抜粋:TechCrunch
簡単に行ってしまえば、Cloudという仮想空間ではなく、ハードウェア本体を直接使えるということになります。
Amazonのすごいところは、カスタムチップでそれを提供できることです。
Amazon AWSがIoTデバイスのセキュリティモニタリングをサービスとして提供
IoT Device Defenderと呼ばれるそのサービスは、IoTデバイスのポリシーをモニタし、デバイスの異常動作を見つけ、顧客がそのデバイスに盛りたいと願っている独自のルールや監査のポリシーをサポートする。
Amazon AWSがIoTデバイスのセキュリティモニタリングをサービスとして提供
抜粋:TechCrunch
簡単に言ってしまえば、IoT機器でハッキングなど異常な操作がされた場合に検知して通知するサービス
リモートでデバイスをリブートしたり、そのパーミッションを取り消し〜リセットしたり、セキュリティフィックス(応急措置)を行ったりできる。
IoTもAWSで監視できますよ!
というお話です。
Amazonが基本的なIoT機器のためのリアルタイムOS(Amazon FreeRTOS)を発表
IoTデバイスは、Linuxで動作しているものが多いのですが、新OS Amazon FreeRTOSを提供、AWSと直接接続できたり無線を使ったアップデート機能を提供(予定)する。
このAmazon FreeRTOSを使ってAWSを使ってね!
という囲い込み戦略です。
Amazonが基本的なIoT機器のためのリアルタイムOS(Amazon FreeRTOS)を発表
参照:TechCrunch
AWSがIoT専用のデータ分析ツールAWS IoT Analyticsをローンチ、機械学習にも対応
AWS IoT Analyticsを利用して、メッセージを処理したり、大量のデバイスデータを収集保存したり、データをクェリしたりできる。このサービスはデータ視覚化サービスAmazon Quicksightや、オープンソースのデータサイエンスツールJupyter Notebooksを統合している。後者によって、データを機械学習で処理することも可能だ
AWSがIoT専用のデータ分析ツールAWS IoT Analyticsをローンチ、機械学習にも対応
抜粋:TechCrunch
「AmazonのIoT 3連星」というべきでしょうか!
- FreeRTOS
- Security
- Analytics完璧な囲い込み商法
「IoTは、すべてAmazonにおまかせあれ」
という戦略をとってきました。
AWSのSageMakerを使えばふつうのデベロッパーが機械学習のモデルを作れる
IoTの次は、AIということで
「機械学習のモデル制作プロセスを管理するためのフレームワークを提供」
Amazon SageMakerは、完全な管理を伴う。エンドツーエンドの機械学習サービスであり、データサイエンティストやデベロッパー、それに機械学習のエキスパートが、大規模な機械学習モデルを迅速に構築・訓練・ホストできるようにする
AWSのSageMakerを使えばふつうのデベロッパーが機械学習のモデルを作れる
抜粋:TechCrunch
IoTの基本OSから運用、そしてAIもAWSでというわけでしょうか?
完璧です。完璧すぎます。
ところで「Amazon SageMake」の名前は、日本ではいかがでしょうか?
「サゲメーカー」と読まれてしまうと語呂が良くないですね。
おまけ「リージョンをまたいだDBのマルチマスター構成」
リレーショナルDB(RDB)サービスの「Amazon Aurora」でデータセンターをまたいだマルチマスター構成が可能となる。
「Amazon Aurora」は、「MySQL」や「PostgreSQL」の互換DBと考えてください。
この「Amazon Aurora」が、複製したDBもマスター扱いになり
マスターDBがダウンしたとしても、他のDBを使って更新を継続できる。
どこかがシステムダウンしても生き残るデータベースというわけです。
MicrosoftのDBサービス「Azure Cosmos DB」
Googleの分散RDBサービス「Cloud Spanner」
と肩を並べるということになります。
まとめ
他にも翻訳関連など 数多くの発表がありました。
こうしてみると
AppleのiPhoneという端末事業が可愛く見えるな。
Iot機器というこれから無数に出現するデバイスを押さえようとするAmazon恐るべしです。
iCloudなんて前時代の遺物ですね。
もっともiCloudは、Apple製品のためだけですから仕方がないですけど
また、以前このブログで取り上げた
Oracleのイベントでラリー・エリソンが自律DB発表――AWSをからかう
データベース専業 ORACLEですが、高価なライセンス料と保守料の事実上値上げによって
「やめたいけどやめられないOracle DB 症候群」の企業が多いと聞きます。
Oracle DBのクラウド化戦略が進みそうですが、IoT & AIもひっくるめてとなると
「Oracle DBじゃなくてもよくねえか?」という考えが出てきても不思議ではありません。
日本では、Amazon=「巨大通販屋」と認知している人がほとんどだと思いますが、最先端のIT企業です。
「ただの通販屋」だと思っていたら世界中のIoTやAIを握ってしまうかも知れません。
そうなった世界は、どうなるのか予測つきませんが、TerminatorやMatrixの世界が来ないことを願います。