前回のシリーズ~プログラマーに歴史ありです。
オンワード樫山の案件で N5200のシステムを組んで喜多方まで出張
というところでした。
今回のシリーズ~プログラマーに歴史ありは、
はじめての大失態 N5200の罠 後編 シリーズ~プログラマーに歴史あり 第六話
ということで 大失敗の仕事のお話です。
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目次
雪の喜多方
上野から特急に乗って途中乗り換えて喜多方市へ
喜多方市は、雪の中にあった。
現地でKさんと無事合流、Kさんのクルマで移動
今日は、納品先となる工場に挨拶に出る。
工場には、多くの人が働いていて、大きな機械が動いている。
あちこちに、靴下とか下着とかが積み重なっていて、ダンボールもたくさん積み上げられていた。
嫌な予感
名刺交換をして、納品されたばかりのN5200を確認
まだ一度も電源を入れていないという。
N5200の入っていたダンボールを見ながら嫌な予感がした・・・
「初期設定から やるのか・・・」
その日は、宿に戻って明日に備える。
「厳しいな・・・」
あまり寝付けなかった。
セットアップって
翌日は、朝早くから工場に出向き、セットアップを始める。
電動ミシンの音の中で電源を入れ、マニュアルの順番にセットアップを開始
今のマシンではないのでフロッピーディスクが必須であった。
N5200は、無事に立ち上がり、必要なソフトウェアを導入し 持ってきたシステムを導入
コンパイラーが動かない
開発してきた実行ファイルをインストールして動作させる
「あれ?」
「画面が切れている・・・」
「初期画面から 右端が切れて表示できない」
画面の調整をしても どうしても画面が切れている。
そのため 「戻る」 など右下に設定した項目が見えない。
「やばい」
画面の設定が開発環境と違っていたのかもしれない。
普通ならば、ここで開発ツールで調整すればよいと思い開発ツールを起動しようとしたら
ファイルを設定し、マスターデータを入れたところまではよかったが、ここで気がつく
「む? コンパイラーがない・・・」
N5200の箱を探してもコンパイラーのソフトウェアはなかった。
ここの段階で The Endだった。
いろいろと試してみたけれど双子葉もなく
顧客に説明し、引き上げることになった。
IT小僧は、かなり自信喪失していたらしく、かなり憔悴しているようだった。
工場の人は、それでもやさしく
「そんなこともあるさ」
「せっかく来たのだから うちの商品みてゆくか?」
と言って工場や商品を案内してもらう。
帰り際に
「試験に落ちたやつだけど 10個ぐらい持って帰って 100円でいいから」
と言って検品に落ちた商品を見せてくれた。
靴下、ネクタイなどが山積みになっていました。
試験に落ちたと言っても素人目にはまったくわからなかった。
靴下とシャツを数枚選んで お金(100円)を払い
「本当に申し訳ありませんでした」
と言って工場をあとにした。
Kさんは、不満そうでしたが、厳しいことは言われなかった。
「もう少し やれるとおもったんだけどな・・・」
Iはじめての 失態だった。
その後
システムは、Kさんが引き取り、修正して納品しました。
会社に戻ったとき 上司は、責めないで
「ご苦労さま」
一言だった。
それほどIT小僧の落ち込み具合がひどかったらしい。
IT小僧は、その後、レナウで通常業務に入っていったわけですが、この案件の失敗は、後々までひきづることになっっている。
まとめ
新人当時から、人から評価されることで少々 自信過剰になっていたIT小僧は、ここで鼻っ柱をへし折られたわけですが、
「それはそれでよかったと今だから思っている」
「自分よりできるやつはいない」
なんて舞い上がっていたわけで、その後のエンジニア人生に大きな影響を与えている。
「もう少し やれるとおもったんだけどな・・・」
その後もなんどか失敗するごとにこの言葉を思い出している。
次回は、衝撃のコンピューターとの出会い のお話です。
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