MADE IN KAWASAKI, JAPAN
音で世界を変える、川崎の職人集団
「final」という選択肢
基礎研究・企画・設計・製造・販売 ── すべてを自社で完結させる、稀有な日本の音響ブランド
イヤホンやヘッドホンを選ぶとき、皆さんはどんな基準で選んでいますか? 価格? ブランド名? 見た目のカッコよさ?
もちろんどれも大切な要素ですが、今回ご紹介したいのは「音そのもの」に対して異常なまでのこだわりを持つ日本のブランド「final(ファイナル)」です。
お小遣いで買える3,000円台のエントリーモデルから、40万円を超えるフラッグシップヘッドホンまで──価格帯を問わず「手抜きなし」の製品づくりを貫くこのブランドを、各カテゴリの推し製品とともに徹底的に紹介します。
finalとは?──川崎から世界へ発信する音響ブランド
finalは神奈川県川崎市に本社を構える、イヤホン・ヘッドホン専門の日本ブランドです。2007年にS'NEXT株式会社として設立され、2014年に米国の親会社モレックスから独立。現社長の細尾満氏のもと、自社ブランド事業へと大きく舵を切りました。
社員約50名のうち、なんと約半数が研究者という異色の構成。音響工学・音響心理学の研究部門を社内に持ち、九州大学との共同研究なども行っています。
「技術的な裏付けのある質の高さが、お客さまの高揚感に繋がるような製品を作り続けるブランドでありたい」── final公式サイトより
メイドインジャパンの本気──自社工場で「一から全部つくる」
finalの最大の特徴は、基礎研究開発・商品企画・デザイン・設計・製造・販売まで、すべてのプロセスを自社で行っていることです。
川崎の自社工場では、ドライバーユニットの開発・生産からハイエンドモデルの組み立てまでを一貫して実施。フラッグシップヘッドホンD8000の振動板は、1枚1枚を丁寧にプレス加工するという徹底ぶりです。
この垂直統合型のものづくりには大きな意味があります。設計チームと製造チームが同じ建物にいることで、双方向のフィードバックが即座に可能。「こういう音を出したい」というアイデアを実現するために、治具や製造機械まで自前で開発できるのです。
finalの全工程自社完結が生む3つの価値
1. 品質の一貫性 ── 設計意図がそのまま製品に反映される
2. 高速な改善サイクル ── 課題発見から修正まで社内で即完結
3. ハイエンド技術のフィードバック ── 上位モデルの知見がエントリーモデルに活きる
finalが掲げるもうひとつの目標も印象的です──「アンティーク市場が生まれるような製品を作りたい」。修理してでも使い続けたいと思える品格ある製品。機械式時計のように世代を超えて受け継がれるイヤホン。それがfinalの目指す世界です。
有線イヤホンの特徴と推し3選
finalの原点ともいえる有線イヤホン。Eシリーズ・Aシリーズ・Bシリーズなど、ラインナップは非常に豊富です。共通するのは「使うほどに良さがわかる、自然な音」という設計思想。派手なドンシャリではなく、音楽そのものの魅力を引き出す丁寧な音づくりが特徴です。
ローエンド推し:E500(約2,000円前後)
| ドライバー | 6.4mm ダイナミック型 |
| 感度 | 98dB/mW |
| ケーブル | 固定式 / 3.5mmプラグ |
| 参考価格 | 約2,000円前後 |
もともとバイノーラル音源の再現用として開発されたモデル。映画鑑賞やゲーム、ASMRとの相性が抜群です。この価格帯でfinalの音質設計思想を体験できるのは驚き。付属のType Eイヤーピースだけでも元が取れると言われるほどの人気アクセサリーが付いてくるのもポイントです。
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ミドル推し:E3000(約5,000円前後)
| ドライバー | 6.4mm ダイナミック型 |
| インピーダンス | 16Ω |
| 筐体 | ステンレス削り出し(鏡面仕上げ) |
| 参考価格 | 約5,000円前後 |
音響工学と心理学の最新研究成果に基づいた音質設計。特定の帯域を強調せず、コンサートホールのような広い音場と高解像度を両立。ステンレス削り出しの美しい筐体は、この価格帯では異例の高品質です。5,000円前後でこの音が出るのかと、多くのオーディオファンを驚かせた伝説的モデルです。
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ハイエンド推し:A8000(約198,000円)
| ドライバー | トゥルーベリリウム振動板 ダイナミック型 |
| コネクタ | MMCX(着脱式) |
| 独自技術 | PTM評価法 / テトラチャンバー構造 |
| 参考価格 | 198,000円(税込)※生産終了 |
finalが誇るフラッグシップ。極薄ベリリウム箔を振動板に採用し、独自のPTM評価法で追求した「トランスペアレントな音」──遠くに定位する音まで明瞭に聴こえるという、まるでスピーカーで聴いているかのような感覚。和紙に包まれた高級感あるパッケージングも含め、finalの技術と情熱の結晶です。生産終了となっていますが、後継のA10000も発売されています。
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ワイヤレスイヤホンの特徴と推し3選
「有線の音質をワイヤレスでも妥協しない」──finalのワイヤレスイヤホンは、自社開発ドライバーと独自の音響技術で、完全ワイヤレスの物理的制約を克服。ソフトウェア頼みではない、アコースティックな音づくりが光ります。
ローエンド推し:ZE2000(約7,000円前後)
| 接続 | Bluetooth 5.2 |
| 対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive |
| 再生時間 | 約7時間(イヤホン単体) |
| 参考価格 | 約7,000円前後 |
ZE3000の弟分として登場。finalの音づくりのエッセンスを1万円以下で体験できるモデルです。aptX Adaptive対応で安定した高音質接続が可能。初めての完全ワイヤレスにも最適な、finalワイヤレスの入門機です。
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ミドル推し:ZE3000 SV(約14,800円)
| ドライバー | 自社開発 f-Core SV |
| 対応コーデック | SBC / AAC / LDAC |
| 機能 | コンフォートANC / マルチポイント / ゲーミングモード |
| 防水 | IPX4 |
| 参考価格 | 約14,800円 |
2024年12月発売の最新モデル。人気のZE3000にノイズキャンセリング、LDAC対応、マルチポイント接続、ゲーミングモードなどの機能を追加しながら、前作より約3,000円安いという驚きのコスパ。片耳わずか4.3gの軽量設計で、長時間の使用も快適。15,000円以下のワイヤレスイヤホンでは最有力候補です。
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ハイエンド推し:ZE8000(約36,800円)
| コンセプト | 8K SOUND |
| 対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive(24bit/96kHz) |
| 機能 | ノイズキャンセリング / 専用アプリ対応 |
| 参考価格 | 約36,800円 |
「8K SOUND」をコンセプトに掲げるフラッグシップ完全ワイヤレス。音の情報量を極限まで高め、本来の音の質感をそのまま感じられる体験を目指しています。耳に触れる部分がすべてシリコンで覆われた専用イヤーピースなど、装着感へのこだわりも尋常ではありません。個人の耳型に最適化する「自分ダミーヘッドサービス」という有料オプションまで用意されています。
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ヘッドホンの特徴と推し3選
finalのヘッドホンは、ワイヤレスのUXシリーズからフラッグシップのDシリーズまで、イヤホン同様に幅広いラインナップ。特にD8000シリーズは世界的に高い評価を受けています。
ローエンド推し:UX3000(約12,800円)
| タイプ | オーバーイヤー / ワイヤレス(有線併用可) |
| 機能 | ハイブリッドANC / 折りたたみ機構 |
| 再生時間 | 最大35時間(ANC OFF時) |
| 参考価格 | 約12,800円 |
agブランドの人気モデルWHP01Kのサウンドを一新したfinalブランドのワイヤレスヘッドホン。マイルドで聴きやすい音質にハイブリッドANC、折りたたみ機構を備え、日常使いに最適です。新型のUX3000 SVも登場し、さらに「声」にフォーカスした音質設計に進化しています。
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ミドル推し:SONOROUS III(約35,000円前後)
| タイプ | オーバーイヤー / 有線 / 密閉型 |
| ドライバー | 50mm ダイナミック型 |
| ケーブル | 着脱式(3.5mm) |
| 参考価格 | 約35,000円前後 |
SONOROUSシリーズはfinalの有線ヘッドホンの中核。密閉型ながらも開放感のあるサウンドが特徴で、中低域の厚みとクリアな高域のバランスに優れています。金属と樹脂を組み合わせた質感の高い筐体は所有欲を満たしてくれます。
ハイエンド推し:D8000(約448,000円)
| タイプ | 平面磁界型 / 開放型 |
| 独自技術 | AFDS(エアフィルムダンピングシステム) |
| ケーブル | 着脱式 2本付属(3.5mm/1.5m + 6.3mm/3m) |
| 参考価格 | 448,000円(税込) |
世界最高峰の平面磁界型ヘッドホン。自社開発のAFDS(エアフィルムダンピングシステム)により、平面磁界型の繊細な高域とダイナミック型のような量感ある低域を両立。川崎の自社工場で振動板を1枚ずつ丁寧にプレス加工して製造されます。ほぼすべての部品がビスで分解可能で、修理やアップグレードにも対応。まさに「アンティーク市場が生まれる製品」を体現したモデルです。川崎市のふるさと納税返礼品にも採用されています。
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ゲーミングイヤホンの特徴と推し3選
finalのゲーミングラインは「VR」の名を冠しています。音響工学・音響心理学・空間音響学に基づいた音作りで、バイノーラル技術を活用したゲームやVRコンテンツの音響空間を忠実に再現。FPSでの足音定位はもちろん、没入感のあるゲーム体験を提供します。
ローエンド推し:VR500 for Gaming(約3,980円)
| タイプ | 有線カナル型 / マイク付き |
| 用途 | ゲーム / VR / バイノーラル |
| 参考価格 | 約3,980円 |
VR3000のエッセンスをお手頃価格に凝縮したエントリーモデル。ゲーミング用途はもちろん、ASMR鑑賞にも最適。4,000円以下でこの空間表現力は破格です。
ミドル推し:VR3000 for Gaming(約7,480円)
| ドライバー | 自社開発 6mm f-Core DU |
| 付属品 | マイク付きコントローラー / イヤーフック / ポーチ |
| 参考価格 | 約7,480円 |
ゲーミングイヤホンの本命。バイノーラル技術で制作された音源の再現に特化した音質設計で、敵の位置を正確に把握できる優れた定位感が魅力。有線接続による遅延ゼロも競技シーンでは大きなアドバンテージです。
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ハイエンド推し:VR3000 Wireless for Gaming+(約13,824円)
| 接続 | 2.4GHz USBドングル + Bluetooth |
| ANC | 搭載 |
| 再生時間 | ANC OFF時 最大10時間 |
| 防水 | IPX5 |
| 参考価格 | 約13,824円 |
2025年11月発売の最新ワイヤレスゲーミングモデル。USBドングルによる2.4GHz低遅延接続でゲームに集中でき、Bluetooth接続でスマホとの併用も可能。ノイズキャンセリング搭載で、周囲の雑音を気にせずゲームに没入できます。前モデルで課題だった接続安定性も改善されています。
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アクセサリーの特徴と推し3選
finalのアクセサリーは、イヤーピースを筆頭に単体でも非常に高い評価を得ています。他社のイヤホンと組み合わせて使うファンも多く、特にType Eイヤーピースはオーディオ界の定番アイテムです。
ローエンド推し:TYPE E イヤーピース(約1,200円)
| 素材 | シリコン(独自配合) |
| 特徴 | スウィング機構 / 5サイズ展開 |
| 参考価格 | 約1,200円 |
オーディオファンの間で「神イヤーピース」と呼ばれる大人気アクセサリー。左右にスウィングする独自機構で、耳道に対して最適な角度でフィット。高域を程よくなだらかにし、低域を引き締める効果があり、明るすぎるイヤホンとの相性が抜群です。わざわざ安価なfinal製イヤホン(E500など)を購入してこのイヤーピースを手に入れる人もいるほど。
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ミドル推し:TYPE B イヤーフック(約1,280円)
| 特徴 | ロック機構付き / 超スリム設計 |
| 効果 | ケーブルタッチノイズの大幅軽減 |
| 参考価格 | 約1,280円 |
有線イヤホンの大敵であるケーブルタッチノイズ(歩行時にケーブルが体に触れて発生するゴソゴソ音)を劇的に低減するアイテム。一般的なイヤーフックより格段にスリムで、装着していることを忘れるほど自然なフィット感です。
ハイエンド推し:シルバーコートケーブル C106(約12,800円~)
| コネクタ | MMCX / 3.5mmまたは4.4mm |
| 導体 | OFC銀コート線 |
| 参考価格 | 約12,800円~ |
A8000やBシリーズなどMMCXコネクタ対応モデルのリケーブル用として開発。銀コート導体による高い伝導性で、解像度と音像の明瞭さが向上します。A8000ユーザーからは「ケーブル交換で明らかに音が変わった」という声が多数。4.4mmバランス接続対応モデルも用意されています。
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finalを応援したい理由
finalの製品を見ていくと、価格帯に関わらず「手抜きがない」ことに気づきます。2,000円のE500にも、20万円のA8000にも、同じ情熱と研究成果が注ぎ込まれています。
はじめてイヤホンを買う学生さんにとって、お小遣いで手が届く価格帯にこれだけの品質の製品があることは、とても価値のあることだと思います。そして、その同じブランドの上位モデルに憧れを持てる──この「はしご」が用意されていることこそ、finalの魅力です。
約50人の小さな会社が、研究から製造まですべてを自前で行い、世界のオーディオファンを唸らせる製品を川崎から発信し続けている。これは間違いなく、日本のものづくりの誇りです。
finalの製品は公式オンラインストアのほか、家電量販店やAmazonなどで購入可能です。
※価格は2026年4月時点の参考価格です。最新の価格・在庫状況は各販売サイトをご確認ください。
※本記事の情報は公式サイトおよび各種レビューサイトを参考に構成しています。