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今日のAI話

AIで仕事はどれだけ減る?米英EUアジア日本の“影響度”を数字で整理

「AIで仕事がなくなる」と言われる一方で、現実には“仕事そのもの”より先に、仕事の中身(タスク)が置き換わったり、必要スキルが変わったりしています。

そんな中で、モルガン・スタンレーの調査は「英国でAI導入による雇用の純減が目立つ」と報じられ、注目を集めました。


本記事では、米国・英国・EU・アジア・日本について、どれくらい影響が出そうかを“推計の種類”も含めて整理し、最後に「今後影響が出やすい職業」を具体的に見ていきます。

AIの「雇用への影響」は3種類ある

AIの話題で混乱しやすいのは、同じ「影響」と言っても中身が違うからです。

1つ目は、仕事内容が変わる(補助される・やり方が変わる)
2つ目は、採用が減る・配置転換が増える(人員構成が変わる)
3つ目は、職そのものが縮む(役割が消える)

IMFは、世界全体で「影響を受ける仕事」が約40%規模になり得るとし、先進国では60%に達すると見ています。ただし“影響=即消える”ではなく、半分は生産性向上などプラスに働く可能性も示しています。
ILOも同様に、生成AIの主効果は「完全自動化」より「補助(拡張)」が中心になりやすい、と整理しています。


英国:AIの「雇用純減」が先に表面化しやすい

Bloomberg記事の軸になっているモルガン・スタンレー調査は、AIを一定期間使っている企業を対象にしたもので、英国では雇用が“純減”になりやすいという結果が伝えられました。英メディアの報道では、英国はこの調査の範囲で「前年比で純8%のネット減」とされ、同時に生産性は上がっている一方で、雇用の押し下げが相対的に大きい、というニュアンスです。


ポイントは、削られやすいのが「キャリア初期(経験2〜5年程度)」の職に寄りやすい、という指摘です。これは若手の入口が細る形になりやすく、社会の不安につながります。


米国:短期は“純増/横ばい”でも、労働時間の置き換えが進む

同じ調査報道の枠では、米国は英国ほど雇用の純減が強く出ていない(むしろプラス寄り)という伝え方がされています。
ただし、米国では別の推計がはっきりしていて、マッキンゼーは2030年までに「現在の労働時間の最大30%が自動化され得る」(生成AIが加速要因)と見ています。

これは「職が一気に消える」というより、職の中の仕事が削られて、配置転換が増えるタイプの影響が大きい、という意味です。


EU:自動化“余地”は大きいが、移行は制度と合意形成次第

EUについても、推計としては米国に近く、マッキンゼーは欧州で約27%の労働時間が自動化され得る(2030、生成AIが加速)としています。
EUは労働保護や職業訓練、企業の合意形成の仕組みが比較的厚い国が多い一方で、その分「導入スピード」や「転換の痛みの出方」が国ごとに割れやすいのが特徴です。

急に大量解雇というより、職務再設計と再教育をどう回すかが政治テーマになりやすい地域です。


アジア:伸びる国ほど“影響”は出るが、形は国で変わる

アジアは一枚岩ではありません。IMFの枠組みでいう「新興国」は、AIの影響を受ける仕事が**約40%**と推計され、先進国よりは低い一方で、教育・制度・資本の差で“痛み”が拡大しやすい、と指摘されています。
たとえばBPO(業務委託)、コールセンター、事務処理の集積が強い国ほど、生成AIの影響が見えやすくなります。

一方で、製造・現場系が厚い国では、ロボット/自動化と組み合わせて段階的に進むことも多く、「同じAI」でも雇用の揺れ方は変わります。


日本:人手不足の“緩衝材”があるが、事務・営業・ホワイトカラーの再編は避けにくい

日本は少子高齢化で人手不足が強く、AIは「雇用を奪う」より先に、足りない人手を埋める技術として入る面があります。
ただし、日本の労働市場でもAIが及ぼす影響を分析した国際機関の報告は増えており、OECDは日本の労働市場におけるAIの浸透が進む中で、自動化・プライバシー・偏り(バイアス)などのリスク管理も含めた議論が必要だと整理しています。

要するに日本は「大量失業」より、**静かに職務が入れ替わる(事務が縮み、対人・現場・ケアが残る/伸びる)**形になりやすい、というのが現時点での見立てです。




この先、影響が大きくなりやすい職業

生成AIが得意なのは、ざっくり言うと「文章・定型判断・検索・要約・分類」です。だから、職業名よりも **“業務の比率”で影響が決まります。ILOは特に、先進国で比率が高い事務(clerical)**が影響を受けやすいとしています。
具体的には次のような領域が、再設計の波を受けやすいです。

  • 一般事務・経理補助・人事労務の定型業務:帳票、照合、文書作成、FAQ対応がAIに寄りやすい

  • カスタマーサポート/コールセンター:一次対応はAI、難案件だけ人へ、になりやすい

  • 法務・金融の“若手業務”:リサーチ、ドラフト、比較検討など(英国で“入口が細る”懸念が出やすい領域)

  • マーケ/広報の下流制作:素材量産はAI、企画や検証が人に残る

  • 翻訳・通訳の一部:速報・下訳はAI、仕上げや交渉は人

  • プログラミングの一部:単純実装・修正はAI支援が強くなる一方、要件定義・設計・責任は人に残る

逆に、現時点で置き換えにくいのは、現場の臨機応変、対人の信頼、責任の所在が重要な仕事です。医療・介護・保育、現場保守、施工管理、営業の関係構築などは、AIが“補助”には入っても、全面置換は進みにくい傾向があります。


まとめ:数字を見ると“英国が先行”、でも本質は「入口と配置転換」

英国で雇用純減が強めに出たという話は、AIが“人員削減の口実”として先に使われる危うさも示しています。一方で、IMFやILOの整理が示す通り、世界の大半は「消える/残る」の二択ではなく、仕事の中身が変わる方向で進みます。

だからこそ一番重要なのは、雇用統計の増減より、若手の入口をどう作り直すか、そして 転職・学び直しをどう回すかです。WEFも、2030までに大きな職務の入れ替わり(創出と置換の同時進行)が起こる前提で、スキル転換の必要性を強調しています。


参考にした主な情報(リンク)

  • Bloomberg(Morgan Stanley分析の元記事)

  • 英国がAIで打撃が大きいという報道(Morgan Stanley調査の紹介)

  • IMF:世界40%・先進国60%の仕事が影響を受け得る

  • ILO:生成AIは「置換」より「補助」が中心になりやすい

  • McKinsey:米国30%・欧州27%の労働時間が自動化され得る(2030)

  • OECD:日本の労働市場とAI(リスク管理含む)



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