長年 Android ユーザーのホーム画面カスタマイズを支えてきた人気アプリ Nova Launcher が、2026年1月20日に突然の動きを見せました。
かつては「開発終了」とまで言われた Nova Launcher が、スウェーデンの企業 Instabridge(インスタブリッジ) に買収されて再びアップデートされたのです。
しかし、今回の再起動には大きな変化が伴っています。無料版への広告導入や、有料版「Nova Prime」の値上げ、新しいビジネスモデル模索など、Nova Launcher を愛用するユーザーなら気になるトピックが一気に出揃いました。
本記事では、その背景と今後の可能性、そしてユーザーに与える影響を解説します。
目次
Nova Launcher とは:Android カスタマイズ界の王道
Nova Launcher は、Android スマートフォンのホーム画面やアプリドロワー(アプリ一覧)を自由にカスタマイズできるアプリとして、2011年に開発者 Kevin Barry 氏によって公開されました。軽快な動作と豊富なカスタマイズオプション、細かな設定項目などによって、長年 Android ユーザーの間でトップクラスの人気を誇ってきました。そのインストール数は Google Play で 1億回以上 に上るほどです。
Nova Launcher は、アイコンサイズや配置、スクロール効果、ジェスチャー操作などの設定が多く、自由度の高さから「Android のカスタマイズ文化」の代名詞的存在でした。しかし 2022 年に analytics 企業の Branch Metrics(ブランチ・メトリクス)に一度買収された後、スタッフの大幅解雇や創設者の離脱などによって、徐々に開発が停滞していったのです。
開発停滞から買収へ:Instabridge の登場
Nova Launcher は 2025 年 9 月に、ついに創設者 Kevin Barry 氏がプロジェクトから完全に離脱したことで、「事実上の開発終了」とも噂されました。そんな中、2026 年 1 月 20 日、公式サイトには Instabridge による買収完了の発表 が投稿され、Nova Launcher の運命が再び動き出したことが明らかになりました。
Nova Launcher: An update | Nova Launcher
https://novalauncher.com/nova-is-here-to-stay

Instabridge はスウェーデンに拠点を置く企業で、主に公共 Wi-Fi hotspot を探し接続するアプリなど、多くの人々がオンラインにつながる手助けをするプロダクト を展開してきた会社です。Nova Launcher の買収について、Instabridge は公式声明で「Nova を終了させない」「安定した動作と最新 Android への対応を保つ」「コミュニティの声を大切にしながら決定を進める」と説明しました。
Instabridge は Nova Launcher の根幹である「パフォーマンス」「柔軟なカスタマイズ」「ユーザー主体の体験」を尊重しつつ、あくまで“責任あるオーナー”として長期的に Nova を維持するための基盤づくりを目指すとしています。
広告モデルの導入と即時の変化
新しい Nova Launcher は、Instabridge による最初のアップデートで 広告トラッカーを含むコードが追加された ことが確認され、ユーザー間で話題になっています。Facebook Ads や Google AdMob のトラッカーコードがアプリ内に含まれ、広告関連の権限要求が増えているという指摘もあります。これらは v8.2.4 とされる最新版で発見された内容で、多くの Nova Launcher ユーザーが無料版でバナー広告を目にしたとの報告が Reddit などで上がっています。
Instabridge は Nova Launcher の無料版に広告や広告ベースの機能を検討していると公表しており、一方で有料版である Nova Launcher Prime は広告なしで利用できると述べています。これは「持続可能なビジネスモデルを確立するために必要」との意図が示されています。
しかしこれに対し、長年クリーンな体験を期待して Nova Prime を購入したユーザーからは、不満や反発の声が多数出ています。これまで「広告なし」がブランドの強みでもあった Nova Launcher にとって、広告導入はファンの期待との間で大きな対立点となっています。
有料版の値上げと収益化戦略
Instabridge は Nova Launcher の安定的な開発継続を目指すために、広告以外にもビジネスモデルの強化を図っています。公式発表では具体的な値段についての全貌は明らかにされていませんが、Nova Prime の価格が 一部地域で引き上げられているという情報も報じられており、広告との組み合わせによる収益設計が進んでいることがうかがえます。
Instabridge は「Nova をただ単に変えるのではなく、コミュニティのフィードバックを逐次反映しながら進めていく」としていますが、広告導入という方針は「アプリの本質を変えてしまうのではないか」というユーザーからの強い懸念も呼んでいます。
Instabridge とはどんな会社?
Instabridge 自体は Nova Launcher とは直接関係のない分野で製品を展開してきた企業です。「インターネットに接続する」という広いミッションの下で、公共 Wi-Fi の検索・接続サービスや関連アプリを開発し、多くのユーザーに使われてきました。今回の Nova Launcher を手にしたことで、スマートフォンのカスタマイズ領域にも踏み込むことになりました。
Instabridge の強みは、ユーザーインターネット体験を支えるアプリ運営のノウハウであり、それを Nova Launcher の長期的な維持と発展に利用したいという姿勢を示しています。ただし、Instabridge の主力アプリ自体が広告中心であるとのユーザーレビューもあり、Nova Launcher の将来に対して不安視する声もあります。
Nova Launcher の未来:維持か進化か
Nova Launcher の新たな出発は、コミュニティにとって希望でもあり不安でもあります。一部のユーザーは広告モデルを受け入れ、長期的なメンテナンスや Android との互換性維持に期待を寄せています。一方で、広告やトラッカーが拡大する方向性に対して批判的な見方も根強いです。
また、Instabridge は Nova Launcher をオープンソース化する可能性についても言及しています。今後、オープンソースコミュニティの手による開発維持や改善が進むかどうかは Nova の未来を大きく左右する要素となるでしょう。
まとめ:古参ランチャーの再出発
Nova Launcher の買収とアップデートは、単なる「昔のアプリが戻ってきた」という話ではありません。それは Android カスタマイズ文化の象徴的なアプリが、新たな時代のビジネスモデルとどう向き合うか という、大きな転換点でもあります。
長年無料で使われてきた Nova Launcher が広告を導入し、有料版の位置づけも変わろうとしている今、ユーザーは「好きな体験をどう守るのか」「どのような選択をすべきか」を自ら考える必要があります。そして Instabridge による Nova Launcher の再構築が成功するかどうかは、Nova ユーザーの支持と長期的なコミュニティの信頼にかかっていると言えそうです。
