11/2 富士通と中国のレノボ・グループ・リミテッド(以下、Lenovo)が合弁会社を設立し、PC事業を展開することが発表されました。
これで国産パソコンがまた一つ消えることになります。
例えBRANDが残ったとしてもそれはもう、富士通ではない。
NECは2011年からレノボ・グループになっていたためこれで法人向けパソコンは
富士通、NECとあっても中身は、Lenovoということになります。
こうなると、JAPAN BRANDは、消えたも同然です。
個人向けでは、価格を考えると今まで生き残っていたのが不思議ですが、法人向けはまだ需要がありそうです。
今回の「IT小僧の小僧の時事放談」は「消え行くジャパンブランドPC」について話をしてゆきます。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。
目次
NEC
20代,30代の人は知らないと思いますが、PC9800シリーズという日本を埋め尽くしたパソコンがありました。
今のWindowsPCとは、互換なし、全くの別物でした。
PC-9801 1982年10月に登場した、完全の独自アーキテクチャのパーソナルコンピュータです。
日本語を取り扱うために特化された仕様でした。
CPU:NEC製μPD8086(Intel 8086互換)16bit
グラフィック:640ドット×400ドット8色
N88-BASIC(86)をROM搭載(NEC製)
5インチ2DDのフロッピーディスク
はっきり言って今の人には、何のことかわからない用語が並んでいると思いますが当時 趣味の8bitパソコンしかなかった世界にビジネスを持ち込んで成功したパソコンです。
PC-9801+一太郎が時代の最先端でお役所、会社、工場など多くの場所で活躍しました。
アプリも大量に開発され、ゲームも数多く造られました。
Windows3.1/95が発表された時 NECが移植して98用として売られていました。
PC-9801終焉
1990年に PC/AT互換機が日本に上陸して少しずつ増えてきました。
PC-98シリーズは、改良を続けていったのですが、過去のソフトウェアの互換性が足かせになってしまい、PC/AT互換機に性能で追い越されていきました。
1997年10月に事実上 PC-98シリーズは、終了となります。
ここからNECは、PC/AT互換機路線に転換して今に至ります。
富士通
富士通のパソコンは、FMシリーズと呼ばれ独特の進化を続けました。
FMシリーズは、FM8/7/77/11/16/TOWNS
と変遷を続け 主に個人向けが主流でした。
特にFM-77は、マニアックな構成のため趣味パソコンとして愛されていました。
主な仕様
CPU: メインMBL68B09(8MHz)、サブMBL68B09E(2MHz)
ROM: F-BASIC 32KB、ブートローダ 4KB、サブシステムモニタ 8KB、キャラクタ 2KB、JIS第一水準漢字 128KB
RAM: メイン64KB(最大256KB)、サブ5KB、VRAM 48KB
FDD: 3.5"2D×2(D2),3.5"2D(D1)
OS: F-BASIC V3.0L2.0、FM Logo
Text Mode: 80×20/25、40×20/25
Graphic Mode: 640×200モノクロ3プレーン若しくはカラー1プレーン。パレット機能付き。
Sound: PSG(AY-3-8910)
ビジネスパソコンは、FM-8/11と進化しましたが、FM-11は、OS-9というマルチタスクOSが搭載されました。
ビジネスパソコンとしては、NEC98シリーズに敗退してしまったためにあまり普及はしませんでしたが、拡張性とOS-9というマルチタスクOSを使って計測機器制御やラインのコントローラーとして使われていました。
FMシリーズは、早くからDOS/Vパソコン(PC/AT互換機で動作するMS-DOS)として転換していたためその後の対応もスムーズに進みました。
過去のソフトウェアが少なかったのが幸いしたと思われます。
こちらは、
FMV-DESKPOWER⇒DESKPOWER⇒BIBLOと名称を変えながら個人+オフィス向けにと変遷してゆきました。
どちらも日本のパソコン史に残る業績をあげてきました。
今も個人向け+ビジネス向けとして販売されています。
Lenovo
Lenovoは、中国香港発のパソコンメーカーでもともと独自にパソコンを販売していたのですが、
2004年IBM社PC部門買収で一気に世界ブランドとして認知されました。
特に「ThinkPad」の知名度が大きかったと思われます。
しかし、各国政府の使用禁止通達と工作疑惑がでたりしていました。
2006年、中国政府の影響力(資本上の支配権)のおよぶ企業であることから、米中経済安全保障検討委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission)は、安全保障上の理由からレノボのPCを米国政府機関が使用することに懸念を表明した
引用:Wikipedia
オーストラリア
米国
英国
カナダ
ニュージーランド
5カ国(いずれもUKUSA協定締結国)の情報機関が使用を禁止となりました。
今は、大丈夫らしいです。
さてどうするのか?
NECと富士通が同じ参加になるということで特にビジネス関連では、競合してしまいます。
富士通、NECともに“差別化は可能”と記者会見では言っていました。
富士通の田中社長は、「トータルでの価値提案」という言葉が多いということですが、
クラウドもソフトウェアもサポートもすでに海外組に席巻されているこの状態で
「トータル」という過去のキーワードで成功できるのかどうか?
企業は、以前にもましてコスト意識を持っています。
昔のように「まるごとおまかせ」というわけにもいかないような気がします。
サーバー事業もAWSやAzureそしてGoogleのクラウドに置き換わりそうな勢いです。
まとめ
Lenovoが、この2社をどのように使ってゆくのか?
それとも、技術だけ抜いて捨て去ってしまうのか?
当面は、ブランドを維持して工場もそのままらしいです。
ジャパンブランドPCは、消えてしまうのか?
1社ぐらいは、残ってほしいな
頑張れVAIO
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