IT小僧の時事放談

遠くの野菜から近くの野菜 AI屋内農場 Plentyの挑戦

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皆さんは、自分が購入している野菜がどこで生産されているかご存知ですか?

高級スーパーマーケットでは、生産地や生産者の名前とか写真とか貼ってありますが、それらは、少し値段が高いです。
モスバーガーは、「今日のレタスは、熊本産のXXXさんがつくりました」とか書かれてあります。
そんな遠くの野菜を食べていることは、一昔前ではありえない話でした。

最近では、「地産地消」とわざわざ呼ばれていますが。自分が子供の頃は、そんなことを言わなくても「地産地消」は、当たり前でした。
遠くの野菜や果物が新鮮な状態で食べることができるのは、輸送技術の発達とコストの問題が解決されているからできることなのです。

今回の
「IT小僧の時事放談」
は、
「遠くの野菜から近くの野菜 AI屋内農場 Plentyの挑戦」
と題して
「AIを使った野菜栽培」に取り組んでいる企業を紹介いたします。

今回も小難しい話をできるだけ簡単に解説しながらブログにしました。
最後まで読んでいただけたら幸いです。

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5,000kmを旅する野菜

輸送技術の発達により、遠くで採れた野菜や果物を食べることができるようになりました。
一方、コストを抑えるため、原価が安い野菜や果物を海外で生産、空輸するということも起きています。

飛行機を使っても国内の農産物より安くできる事自体、凄いことなのですが、中には、「あやしい農産物も出回ります」
かつて、「中国野菜」や「毒餃子」がニュースになりました。
さすがに今は、検査も厳しくなってきたので、同じような事件は、減少すると思われます。

「現在の農作物は、消費者に届けられるまでに3,000マイル(約5,000km)もの距離を運ばれていきます」
Plenty CEO マット・バーナード

国土の広い米国ならではの話かと思っていましたが、日本の農産物もかなり海を超えてやってきています。

輸入野菜状況(野菜ナビ)
https://www.yasainavi.com/graph/trade/

玉ねぎ輸入状況(野菜ナビ)
https://www.yasainavi.com/graph/category/ca=6

中国、ニュージーランド、アメリカはともかく、エジプトからも輸入されています。

5000Kmというのは、米国だけの話ではなさそうです。

水耕栽培は、赤字続き

水耕栽培は、土を使わない栽培方法で屋内で工場のように生産できます。
水耕栽培自体は、珍しくなく 日本でも試みをされています。
屋内なので無農薬、台風などの災害の影響も受けません。
そして、安定して出荷できると持て囃されました。
2009年には、農業の再生と技術の輸出を期待して、農林水産省と経済産業省が150億円の補助金をつけるなどして全国に水耕栽培事業が展開されて「夢の植物工場」とか言われていました。

しかし、現実は厳しい状況です。
「夢の植物工場」黒字達成が困難な理由

倒産続出、75%が赤字、植物工場でビジネスは無理?放射能汚染地や昭和基地が適地?

失敗する主な原因は、
「安定生産が難しい」
「コストが下がらない」
「販売先が開拓できない」
そして もっとも大きな問題は、
「水耕栽培より輸入野菜のほうが安い」
「水耕栽培された野菜のメリットがわからない」

輸送技術の発達によって遠くで栽培された「野菜より高く」「味もそれほど差がないとすれば」
わざわざ 「水耕栽培の野菜」を買う消費者などいません。

この「水耕栽培」砂漠とか極地とかを除いて採算にあわないとされていましたが、Plenty社は、AIを使って解決しようとしています

Plenty社

2013年に米国でPlenty社
サンフランシスコを拠点に農作物を屋内で水耕栽培でつくっています。

赤字続きで撤退している企業と大きく違うのは、その出資額です。

2億3,600万ドル(約249億円)をヴェンチャーキャピタル(VC)から調達
2017年7月にソフトバンク・ビジョン・ファンド主導で2億ドルが投資

日本の「夢の植物工場」とは、桁違いのお金が投資されています。
投資なので出資者は、大きなリターンがあるとしてお金を出しているわけで、補助金だよりの日本のビジネスとはい大きな違いがあります。
どうして、補助金目当てのビジネスとこんなに差があるのでしょうか?

ビックデータとAI

今までの水耕栽培と違うのは、技術の進歩にありました。

バーナードが行っているコスト削減(と味の向上)戦略は、ビッグデータと機械学習を使って、従来の水耕溶液の配合を改善していくことだ。農場には赤外線センサーが張り巡らされている。作物の育ち具合をモニタリングし、情報をフィードバックすることで、アルゴリズムが光や温度、水の流れを調節するのだ。
WIREDからの抜粋

ビッグデータと機械学習 ここが、過去の水耕栽培と違っているとことでしょうか?

「10年前なら不可能だったでしょう。しかし、われわれは現在、“グーグル的な瞬間”とわたしが呼ぶような状態にあります。グーグルは、向上したテクノロジーと進化したアルゴリズム、大量のデータを融合させてその恩恵を被りましたが、われわれもそれと同じような状態にあるのです」
WIREDからの抜粋

工業製品と違い、野菜は、生き物なので 光や温度、養液のコントロールなどが非常に難しいそうです。
Plenty社は、作物の育ち具合をモニタリングし、情報をフィードバックすることで安定栽培を実現しています。

地産地消

水耕栽培の難しい点が、コスト高にあると言われています。
Plenty社は、このコストを「農作物を供給する市場のすぐそばで生産」することで30%とも40%とも言われている輸送費と貯蔵施設を抑えることでクリアしています。
収穫してすぐに店頭に並べることで新鮮さを保つこともできています。

まさに「地産地消」そのもので水耕栽培の弱点をカバーし新鮮さでリードしようとしています。

種類を増やせ

Plenty社は、ケールと、ドレッシングなしでも食べられるサラダを、サンフランシスコにある農場でつくり出荷しています。

今後、野菜の種類を増やす予定になっていて試験農場(ワイオミング州)は、にイチゴやニンジン、トマト、スイカなど、400種以上もの作物が育てられています。
桃の栽培も試験的に行っていますが、まだコストが高いため試験段階です。

問題は、これらのコストをAIを使うことで作物の育ち具合をモニタリングしつつ情報をフィードバック、光や水、温度などのアルゴリズムを改善することで課題のクリアを目指しているそうです。

世界進出

潤沢な資金を元手に事業の拡大ををはかり、中国への進出も計画中です。
農薬を大量に使った中国野菜では、生野菜を食べないという人が多く、安全でクリーンな野菜を提供できれば、市場が開けると考えているようです。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼CEOは、Plentyが「現在の食糧システムをつくりかえる」と確信しているそうです。

異論を唱える人もいます。

「1950年代には、食料の未来は水耕栽培にあるとする本がたくさん書かれましたが、未だに実現してません。理由は単純で、費用がかかるからです」
ロンドン大学シティ校で食料政策学を研究するティム・ラング教授

また、Plenty社の事業を

富裕層向けに高価で「おしゃれなサラダ」を提供する事業を展開している。

という声もあることは、事実です。

Plenty社の事業は成功するでしょうか?
投資に失敗しないと言われているソフトバンクが出資しているということで「成功するのではないか?」という見方もあるそうです。

まとめ

Plenty社のページには、4つのキーワードが掲載されています。

We strive to grow the best tasting, most nutritious produce possible.
私たちは最高の味と栄養価の高い作物を育てようと努力しています。

We build our farms next to where people live, so our produce is grown a short drive from your local store.
みなさんのすぐ近くにに農場を建設しているので、地元の店を通じて採れたてな農産物を提供しています。

We grow without pesticides or herbicides, and our food is non-GMO.
私たちが育てた野菜は農薬や除草剤をつかっていません。また遺伝子組換えしていません。

We farm indoors and give our plants everything they need to grow vertical walls of beautiful produce.
屋内で農作物の壁を成長させるため日夜努力をしています。(要訳です)

「本当の意味での“生鮮”農作物を、できるだけ多くの人々が買えるよう適正価格で届けることを目指しています。年々、野菜や果物の地産地消は増加しています。地元の新鮮な野菜や果物を食べられる人々は、これからもっと多くなっていくでしょう。獲れたてを食べれば、そのおいしさに感動しますよ」
Plenty CEO マット・バーナード

Plenty社リンク先
https://www.plenty.ag/sf

Plenty社は、期待したとおり成功するのでしょうか?
新しいニュースが出たら、ブログにしていきたいと思っています。

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