日本のIT屋に一言

30年もの基幹システムをオープンシステムに移行 それってデスマーチ?

更新日:


京都市が、NEC製メインフレーム上で約30年稼働する基幹系システムのバッチ処理をオープンシステムに刷新するプロジェクトの入札結果を発表しました。

2018年3月27日発表
落札価格 15億2990万
キヤノンITソリューションズ入札
・メインフレーム
・30年可動
・COBOL
・2020年1月からの本稼働
・オープンシステム

本稼働が2020年1月って期間が短くないですか?

システムに詳しくない人に説明します。
今回のプロジェクトは、こんな感じです。

砂に埋もれて崩れたピラミッドを発掘
断片しか残っていない石版から設計図を組み立てて
もとのピラミッドを正確に再現
タイムリミットが2年弱

どれだけ大変な作業なのか わかっていただけるでしょうか?

今回の
「日本のIT屋にひとこと」
では、
「30年もの基幹システムをオープンシステムに移行 それってデスマーチ」
と題して
「現行業務そのまま移行をなめると痛い目にあうよ」
について考えてみよう。

スポンサーリンク

AdSence 336x280

係争中のシステム

この基幹系システムのバッチ処理は、2016年1月15日に11億376万円で株式会社システムズに発注
2017年1月から稼働予定(2017年1月4日)が遅れる。

京都市
2017年10月11日
株式会社システムズとの設計・開発等業務委託契約を解除
遅延が理由

株式会社システムズ
2017年11月8日
京都市に対して約2億円を求める訴訟
一方的な契約解除とスコープ外の作業の未払い

京都市
2017年10月
株式会社システムズに対して7億5000万円の請求

現在係争中

結果は、裁判なのでわかりませんし、当事者として参加していなかったので双方の主張をネットでみることしかできませんが、京都市は、仕切り直しとなりました。
http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/14/346926/110201189/?P=2

今回の入札に関する懸念点

京都市は仕切り直し後もバッチ処理プログラムをマイグレーションで刷新する方法を引き続き選択した。NEC製メインフレーム上で30年来稼働するCOBOLプログラムを、業務ロジックを変更せずにオープン系COBOLにマイグレーションする「リホスト」を進める。

業務ロジックを変更しないでオープン系に変更するから「簡単」だと考えていないでしょうか?
現システムのNECが第一候補のはずが、入札に参加していない。

むむ 現在、システムの保守をしているNECが、次期システムに参加しない。

今回の刷新プロジェクトでは、分析フェーズと新システムが稼働するクラウド基盤のハードのみを落札し、オンラインとバッチの移行案件には応札していない。

利害関係があったとしたら積極的な協力は、望めない可能性があります。

大手ベンダーが参加していない
富士通、日立、NTTデータ、日本IBMなど不参加

危険な案件と察知しているか、あまり儲からないと考えているか?

京都市が2017年11月6日の京都市議会に提出した資料(PDF文書)

マイナンバーカード等への旧姓併記等の大規模な制度改正
等に対応するため,新システムの開発期間中にも現行システムの改修が生
じ,これを新システムに反映させる必要がある

この一説は、かなり危険な箇所です。
追加もあるということでしょうか?

危険な香り

30年前のシステムを増改築してきたということなので仕様書は「手書き」大量のバインダーが存在しているはず。
手書きの仕様書ということは、検索ができない。
ということで仕様の読み込みから開始

システム変更時に仕様書が変更されているか疑問

となると
ソースファイルの読み込み・・・となりますが

COBOLとJCLをリバースエンジニアリングして仕様書が起こせる人材って50代以上の現役エンジニアしかいない。
そして、そんな人は、ほとんどいないと思う。

ソースファイルが現行動作しているものであるという保証はない。
そもそもソースファイルがないかも知れない。

お役所の担当者は、移動があるので現在の人が詳しいと思えない。

試験のときにお役所の担当者は、役に立ちません。
頼りになるのは、現システムを担当しているNECのみ
といってもシステムの受け渡しで協力するのは、限定的なことが通常

マイグレーションで刷新だけでは、なくマイナンバーの機能追加もあり

NECのACOSは、IBM系の汎用機とは違い、癖があるシステムでCOBOLも方言がある。
これは、30年前に自分も経験してきたことなので理解できます。
マイグレーションで自動変換するとおそらくまともな変換はできないと思う。

となると最後は、手作業
ACOSのCOBOLなんて扱える技術者なんて世界中にどのぐらい残っているんだろう?

そもそも 5社スタートで3社辞退、残った2社のうち片方が失格
そして現運用のNECが参加せず

予定価格に対して寸分の差で入札!

これだけの危険フラグが立っているのに受けるほうが凄いけど、お役所との予定調和?
推測の域を出ませんが、これ以上は、触れないでおきましょう。 

危険過ぎ

作り直したほうがはやいんじゃないのか?
もっとも2020年1月だとどうあがいても不可能

まとめ

正直、よく受注するところがあったというのが、自分の経験からの感想です。
パッケージを導入して業務を変更したほうが、後々、平和になるような気がします。
でも、日本のお役所なのでそんな大胆な発想はないだろうな。

このプロジェクトがどのようになってゆくか注目しようと思っています。

新しい何かが出てきたら、報告いたします。

スポンサーリンク

AdSence 336x280

AdSence 336x280

AdSence 336x280

-日本のIT屋に一言
-

Copyright© IT小僧の時事放談 , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.