日本のIT屋に一言

みずほ銀行の統合プロジェクト終焉で人月バブル崩壊か?

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みずほ銀行 勘定系システムが、いよいよ最終段階に入ります。
このあたりは、以前 ブログで記載したので読んでいただけたら幸いです。

みずほ銀行システム統合 16年目の春を迎えられるか?

みずほ銀行が誕生したのは、2002年 みずほホールディングス傘下であった 第一勧業銀行 富士銀行 日本興業銀行の分割・合併 みずほ銀行とみずほコーポレート銀行が誕生しました。 2013年 みずほコーポ ...

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みずほ銀行 勘定系システム
開発費用が、4000億円台の大型プロジェクトです。

人月で言えば
推定で20万人月
ピーク時には7000~8000人規模の技術者が動員され
世界最大規模とも言えるプロジェクトです。

このプロジェクト、2019年には、すべて完了となります。

このことが何を意味するか?
今回の
「IT小僧の時事放談」は、
「みずほ銀行の統合プロジェクト終焉で人月バブル崩壊か?」
と題して平成の終わりと共にはじめる人月ビジネスの崩壊の可能性について考えてみました。

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メガバンク誕生まで

銀行合併におけるプロジェクト

1996年 東京三菱銀行からはじまり
2001年 UFJ銀行
2006年 東京三菱UFJ銀行

1990年 太陽神戸三井銀行
1990年 さくら銀行
2001年 三井住友銀行

2000年 みずほ銀行
2013年 みずほ銀行(みずほコーポレート銀行合併)

1991年 あさひ銀行
2002年 りそな銀行

昭和~平成にかけて銀行合併が続きました。
また、地方銀行も合併が続いておりました。

銀行の再編、合併は、システムの統廃合の歴史であり、巨大な費用が発生しました。

この時代、銀行だけではありません、証券、保険会社も合併が続いていたためシステム屋さんはかなり忙しい時期でした。

国家プロジェクト

民間企業だけではなく国家プロジェクトもこの時期に集中しました。

住民基本台帳(住基ネット)
特許庁システム
年金システム
ゆうちょ銀行の融資システム
マイナンバー

失敗と言われるプロジェクトもありますが、別の機会で追求するとして
そのどれもが、数十億円~1兆円(保守も含めて)の費用をかけて開発されました。

来年で終わりを迎えようとしている平成の時代は、「平成システム大改変」の時代でした。

システムインテグレーターが儲けるわけ

この「平成システム大改変」の主役企業は、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれる企業が主役でした。

このSIerという企業は、巨大プロジェクトの受注を行い、プロジェクトを立ち上げシステム構築という仕事をしていましたが、その実情は、建設業界と同じような構造で

元請け⇒1次下請け⇒2次下請け⇒n次下請け

というようにすべて下請け企業に流すことで中間マージンを受け取っていました。
酷いときは、5次下請けでそこから個人契約や派遣で人を出していた時代もあったそうです。

受注競争も醜く
「1円入札」とかもありました。

巨大プロジェクトの場合、1社では受けきれないため、分散して
ハードウェアは、A社
ネットワークは、B社
ソフトウエアは、C社
などという事例も多かったわけです。

さらに「今回はA社」次は「B社」などという談合もどきも多かったと聞いています。
断定はしませんが、昔の建設業界と同じような世界でした。

問題は、建設業と違って「失敗が多く」動かなくて頓挫することもしばしばありました。
また、造ったのに使われない、住基ネット、特許庁システムもあって税金無駄遣いも多数ありました。
しかも、責任は、「うやむや」状態、特に国家プロジェクトの場合など誰も責任を取らない状況でした。

人月ビジネス

儲かったのは、元請けであるSier企業
なにせ人を集めればお金が毎月湧いてくるビジネスです。

これを「人月ビジネス」と言います。
※1人月=”いちにんげつ”と読みます。
「一月いくらで契約しますよ」
という契約です。

さらにこの人派遣型ビジネスは、例えばですが
元請け  120万で契約
1次受け 80万で発注
2次受け 60万で発注
3次受け 40万で発注

というように中間マージン抜きまくりです。
これで儲からないわけはない。

元請けは、プロジェクトマネージャーと称して人を送り込み人を管理します。
(現場監督ですね)

このプロジェクトマネージャーは、本来ならば、システムについての知識が豊富で顧客との折衝や人員の士気を高め、予算とスケジュールを管理してプロジェクトの成功を導くことが仕事です。

ところが、多くのプロジェクトマネージャーは、会社支給のマニュアルでしか経験がなく、システムなどよくわからない、EXCELとプロジェクト管理ツールしか使えない人が多いです。
顧客との折衝は、特にひどく「ただの御用聞き」レベルの人も多く見られました。

また、プロジェクトに参加する人は、n次受けの人が多く「IT奴隷」などと揶揄され、低賃金、高負荷、劣悪な環境で仕事をしていました。

そのようなプロジェクトでうまくいくはずもなく、失敗が続きます。
「システムは、人がつくるのでバグがないものはない」
という免罪符の元、トラブルを多発します。

みずほ銀行などは、銀行業務だったので社会問題に発展しましたが、国家プロジェクトなどは、なぜか?マスコミも口を塞ぎ、失敗がなかったかのように報道すらしませんでした。

「住基ネット」などは、「森友問題」など吹き飛ぶような「税金無駄遣い」です。
「特許庁システム」など、可動すらしていない状況で開発中止となってしまいました。

政治家の皆さんは、システムに関しては、わからないので「突っ込みなどできず」マスコミも自分が詳しく説明できないのであまり報道しませんでした。
※報道規制があったかどうかは、定かではありませんが・・・

これら甘い汁を吸ってきたIT亡者たちが、「みずほ銀行 勘定系システムの完了」で終焉を迎えようとしています。

バブル崩壊

多くの国家的プロジェクト、銀行、保険、証券会社等の大型案件が一区切りを迎えようとしています。

銀行もオープン系システムを使い、クラウドに移行しようとしています。
となると、今までのSIerさんも出番が減ります。

建設業を手本にして巨大な利益を得てきたSIerは、これからどうするのでしょうか?

約30年続いてきた、「人月バブル」が消え去る時代へと突入してきました。

人手不足は、特定の分野だけ

IT業界は、つねに人手不足と言われてきました。
人月商売で儲かっていたときは、人を集まればお金になったので、企業側からすれば「個人レベルなどどうでもよい時期」もありました。

これからのシステムは、オープン系、パッケージ使用が前提となり、1からシステムを構築する時代では、ありません。

企業は、クラウドの積極的活用を推し進め、パッケージの利用とカスタマイズは、ユーザー自身で行う時代が来ています。

次の時代は、AIなどを中心に少数精鋭の開発へと移ってゆくことでしょう。
人手不足は、「使える人の人手不足」ということで、その他、大勢が仕事を失う時代となる可能性があります。

プロマネだけではやっていけない。

大人数で数千万単位のビジネスは、確実に減ってゆきます。
金融、医療などの専門分野の知識があれば、まだなんとかなりますが、それ以外の分野では、厳しい現実が待っています。
プロジェクトマネージメントを主戦場にしてきたエンジニアは、遠からず職を失うことになるでしょう。

特に「SIer企業のの40代」は、企業の大量採用の時期と重なって「つけ」が必ず来ます。

そんなことはないって?
いや、システムを刷新した銀行が、リストラを始めています。

そうなる前になんとか生き抜いてゆく術を見つけなければなりません。

まとめ

エンジニアが、同じ環境、システムで喰って行ける時代は、終わろうとしています。
専門知識や技術を持たないプロジェクトマネージメントしかできないエンジニアは、急いで別の道を模索したほうがよいと思います。

企業は、生き残るためには、社員が泣いてもかまわないと思っています。

人月商売をしてきたSIer企業も変わろうとしています。
残れなかったエンジニアは、路頭に迷うことになることは、必然です。

今からでも「遅くない」自分の武器を見つけましょう。

みずほ銀行のシステムについては、こちらでも書いています。
合わせて読んでいただければと思います。

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