日本のIT屋に一言

みずほ銀行の統合プロジェクト終焉で人月バブル崩壊か?

2021年3月4日

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」
史上最大規模のプロジェクト みずほ銀行システム入れ替え

みずほ銀行 勘定系システムが、いよいよ最終段階
このあたりは、以前 ブログで記載したので読んでいただけたら幸いです。

みずほ銀行 勘定系システム
開発費用が、4000億円台の超大型プロジェクトの完了です。

このプロジェクト、2019年には、すべて完了となります。

人月で言えば
推定で20万人月
ピーク時には7000~8000人規模の技術者が動員され
世界最大規模とも言えるプロジェクトです。

このことが何を意味するか?

今回の
IT小僧の時事放談は、
みずほ銀行の統合プロジェクト終焉で人月バブル崩壊か?
と題して平成の終わりと共にはじめる人月ビジネスの崩壊の可能性について考えてみました。

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最新ニュース

みずほ銀でまたトラブル…ATMなどで一時、定期預金の一部取引できず 2021年3月7日

ATM・みずほダイレクトにおける定期預金取引の一部停止について(3月7日19時00分現在)

一部報道にあります通り、カードローン取引のプログラム更新に伴い、一部エラーを検知したため、本日9時00分からATM・みずほダイレクトにおける定期預金取引の一部について、一時的に抑止させていただいておりましたが、13時30分に既に再開済みです。

みずほダイレクトにおいては、ログイン後の画面にご案内をいたしております。なお、9名のお客さまの取引不成立を検知しましたが、既に個別にご連絡のうえ対応をすすめております。
ATMでは、お客さまがお困りの場合に備え、各拠点には行員を待機させ、個別に対応いたしました。なお、不成立となったお客さまの取引はありませんでした。

お客さまにご迷惑・ご心配をおかけしておりますことをお詫び申しあげます。

みずほ銀行

またですか・・・

原因は、カードローンのプログラム更新作業の問題

明日は、ちゃんとATM動くんだろうな・・・

と思いたくもなります。

みずほ銀、3月上旬のオンライン口座移行を断念 2021年03月05日

 みずほ銀行は、2月28日のATM(現金自動出入機)の大規模な障害を受け、定期預金の既存口座をデジタル口座へ移す作業を延期する。3月上旬までに終える予定だったが、障害の原因究明が終わっていないため、3月中の作業を断念する方針だ。コスト削減のために進めてきたデジタル化の施策が障害で遅れる。

みずほ幹部は5日、朝日新聞の取材に「全体の真因究明ができていないなか、データ移行だけ大丈夫というのは経営判断として甘い。拙速な対応は絶対に避けたい」と述べた。作業再開は早くても4月になる見通しという。

朝日新聞

今度、やらかしたら 致命的になります。
それを考えたら、この判断は正しいと思える。

どちらにしろ、みずほ銀行のシステム担当者は、眠れない日々が続きそうだ

みずほ銀行 一部ATMで再びトラブル 最大3時間使えず 2021年3月4日

みずほ銀行 一部ATMで再びトラブル 最大3時間使えず

2021年3月4日 7時11分

2月末、システム障害で全国各地のATMが利用できなくなったみずほ銀行で3日夜、一部のATMが最大で3時間使えなくなるトラブルがあり、キャッシュカードが取り込まれたケースもあったことが分かりました。
銀行は、さきのシステム障害とは別の要因だと説明しています。

みずほ銀行によりますと、3日夜、東京や大阪などにある28か所のATM、合わせて29台が午後7時58分から最大で3時間にわたって使えなくなったということです。

キャッシュカードがATMに取り込まれて戻ってこなくなったケースもあり、これまでに利用者への返却は完了したということです。

ATMどうしを結ぶネットワークセンターの機器に不具合が発生し、その後バックアップ機能が働いて現在は復旧しているということです。

みずほ銀行は4日の営業に支障はないとしたうえで「ご心配、ご迷惑をおかけし、おわび申し上げます」とコメントしています。

みずほ銀行によりますと、4日午前7時現在、全国各地のATMは正常に稼働しているということです。

みずほ銀行の首脳は4日朝、記者団に対し「ご不便をおかけし申し訳ありません」と述べました。

NHKニュース

これで3度めの大きなトラブル発生です。

藤原弘治頭取は「長い時間、顧客を待たせるなど対応が不十分だった。2度と(トラブルを)起こさない強い決意のもと、再発防止の徹底に全力を尽くす。深くおわびしたい」と謝罪した。

前日に障害を起こし2度と(トラブルを)起こさない強い決意と言ったわけですが、またまたトラブルが発生

ATM異常発生しました 2021年2月28日

2021年2月28日

みずほ銀行で28日に起きたシステム障害は、ATMに挿入したキャッシュカードや預金通帳が出てこなくなり、預金者の間に不安と困惑が広がった。被害は全国の店舗内ATMの過半数に及んだ。同行は過去にも大規模なシステム障害を起こしており、金融という重要な社会インフラの担い手として厳しい視線が注がれている。

日本経済新聞より抜粋

このブログを書いた2019年のシステム全面移行後 大きなトラブルが発生しました。

2021年2月28日 ATM異常発生

2021年3月1日は、正常稼働中です。

メガバンク誕生まで

銀行合併におけるプロジェクト

1996年 東京三菱銀行からはじまり
2001年 UFJ銀行
2006年 東京三菱UFJ銀行

1990年 太陽神戸三井銀行
1990年 さくら銀行
2001年 三井住友銀行

2000年 みずほ銀行
2013年 みずほ銀行(みずほコーポレート銀行合併)

1991年 あさひ銀行
2002年 りそな銀行

昭和~平成にかけて銀行合併が続きました。
また、地方銀行も合併が続いておりました。

銀行の再編、合併は、システムの統廃合の歴史であり、巨大な費用が発生しました。

この時代、銀行だけではありません、証券、保険会社も合併が続いていたためシステム屋さんはかなり忙しい時期でした。

国家プロジェクト

民間企業だけではなく国家プロジェクトもこの時期に集中しました。

住民基本台帳(住基ネット)
特許庁システム
年金システム
ゆうちょ銀行の融資システム
マイナンバー

失敗と言われるプロジェクトもありますが、別の機会で追求するとして
そのどれもが、数十億円~1兆円(保守も含めて)の費用をかけて開発されました。

来年で終わりを迎えようとしている平成の時代は、「平成システム大改変」の時代でした。

システムインテグレーターが儲けるわけ

この「平成システム大改変」の主役企業は、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれる企業が主役でした。

このSIerという企業は、巨大プロジェクトの受注を行い、プロジェクトを立ち上げシステム構築という仕事をしていましたが、その実情は、建設業界と同じような構造で

元請け⇒1次下請け⇒2次下請け⇒n次下請け

というようにすべて下請け企業に流すことで中間マージンを受け取っていました。
酷いときは、5次下請けでそこから個人契約や派遣で人を出していた時代もあったそうです。

受注競争も醜く
「1円入札」とかもありました。

巨大プロジェクトの場合、1社では受けきれないため、分散して
ハードウェアは、A社
ネットワークは、B社
ソフトウエアは、C社
などという事例も多かったわけです。

さらに「今回はA社」次は「B社」などという談合もどきも多かったと聞いています。
断定はしませんが、昔の建設業界と同じような世界でした。

問題は、建設業と違って「失敗が多く」動かなくて頓挫することもしばしばありました。
また、造ったのに使われない、住基ネット、特許庁システムもあって税金無駄遣いも多数ありました。
しかも、責任は、「うやむや」状態、特に国家プロジェクトの場合など誰も責任を取らない状況でした。

人月ビジネス

儲かったのは、元請けであるSier企業
なにせ人を集めればお金が毎月湧いてくるビジネスです。

これを「人月ビジネス」と言います。
※1人月=”いちにんげつ”と読みます。
「一月いくらで契約しますよ」
という契約です。

さらにこの人派遣型ビジネスは、例えばですが
元請け  120万で契約
1次受け 80万で発注
2次受け 60万で発注
3次受け 40万で発注

というように中間マージン抜きまくりです。
これで儲からないわけはない。

元請けは、プロジェクトマネージャーと称して人を送り込み人を管理します。
(現場監督ですね)

このプロジェクトマネージャーは、本来ならば、システムについての知識が豊富で顧客との折衝や人員の士気を高め、予算とスケジュールを管理してプロジェクトの成功を導くことが仕事です。

ところが、多くのプロジェクトマネージャーは、会社支給のマニュアルでしか経験がなく、システムなどよくわからない、EXCELとプロジェクト管理ツールしか使えない人が多いです。
顧客との折衝は、特にひどく「ただの御用聞き」レベルの人も多く見られました。

また、プロジェクトに参加する人は、n次受けの人が多く「IT奴隷」などと揶揄され、低賃金、高負荷、劣悪な環境で仕事をしていました。

そのようなプロジェクトでうまくいくはずもなく、失敗が続きます。
「システムは、人がつくるのでバグがないものはない」
という免罪符の元、トラブルを多発します。

みずほ銀行などは、銀行業務だったので社会問題に発展しましたが、国家プロジェクトなどは、なぜか?マスコミも口を塞ぎ、失敗がなかったかのように報道すらしませんでした。

「住基ネット」などは、「森友問題」など吹き飛ぶような「税金無駄遣い」です。
「特許庁システム」など、可動すらしていない状況で開発中止となってしまいました。

政治家の皆さんは、システムに関しては、わからないので「突っ込みなどできず」マスコミも自分が詳しく説明できないのであまり報道しませんでした。
※報道規制があったかどうかは、定かではありませんが・・・

これら甘い汁を吸ってきたIT亡者たちが、「みずほ銀行 勘定系システムの完了」で終焉を迎えようとしています。

バブル崩壊

多くの国家的プロジェクト、銀行、保険、証券会社等の大型案件が一区切りを迎えようとしています。

銀行もオープン系システムを使い、クラウドに移行しようとしています。
となると、今までのSIerさんも出番が減ります。

建設業を手本にして巨大な利益を得てきたSIerは、これからどうするのでしょうか?

約30年続いてきた、「人月バブル」が消え去る時代へと突入してきました。

一見、案件があるようですが、企業は、業績が落ち込んだときに真っ先にIT予算を削ります。
また、派遣法の改正、現場のプログラマーの待遇の悪さから、肝心のシステムを組む人がいなくなってしまいました。
SIerの社員の多くの人は、システムなど組めるわけもなく、多くの案件を抱えたまま沈没するかも知れません。

それも、すべて、人月構造と多重下請けの反動です。

来年は、運がよいことに年号と消費税の改が予定されているけど、その先って 大丈夫?
さらにオリンピックでおカネが回っていますが、終わったあとのことを考えていますか?

企業は、行政機が悪くなると「最初に人件費を削ります」
年齢を重ねたあなたが、邪魔になる日が来るかも知れません。

人手不足は、特定の分野だけ

IT業界は、つねに人手不足と言われてきました。
人月商売で儲かっていたときは、人を集まればお金になったので、企業側からすれば「個人レベルなどどうでもよい時期」もありました。

これからのシステムは、オープン系、パッケージ使用が前提となり、1からシステムを構築する時代では、ありません。

企業は、クラウドの積極的活用を推し進め、パッケージの利用とカスタマイズは、ユーザー自身で行う時代が来ています。

次の時代は、AIなどを中心に少数精鋭の開発へと移ってゆくことでしょう。
人手不足は、「使える人の人手不足」ということで、その他、大勢が仕事を失う時代となる可能性があります。


プロマネだけではやっていけない。

大人数で数千万単位のビジネスは、確実に減ってゆきます。
金融、医療などの専門分野の知識があれば、まだなんとかなりますが、それ以外の分野では、厳しい現実が待っています。
プロジェクトマネージメントを主戦場にしてきたエンジニアは、遠からず職を失うことになるでしょう。

特に「SIer企業のの40代」は、企業の大量採用の時期と重なって「つけ」が必ず来ます。

そんなことはないって?
いや、システムを刷新した銀行が、リストラを始めています。

そうなる前になんとか生き抜いてゆく術を見つけなければなりません。


まとめ

エンジニアが、同じ環境、システムで喰って行ける時代は、終わろうとしています。
専門知識や技術を持たないプロジェクトマネージメントしかできないエンジニアは、急いで別の道を模索したほうがよいと思います。

企業は、生き残るためには、社員が泣いてもかまわないと思っています。

人月商売をしてきたSIer企業も変わろうとしています。
残れなかったエンジニアは、路頭に迷うことになることは、必然です。

今からでも「遅くない」自分の武器を見つけましょう。

みずほ銀行のシステムについては、こちらでも書いています。
合わせて読んでいただければと思います。

エンジニアの仕事を続けるのならば、常にステップアップをしないと
「あなたは、そこで終わりです」
常に自分を売り込めるところをチェックすべきです。



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